位牌の処分方法と費用|永代供養に預ける選択肢

仏壇の話は進んだのに、位牌だけが決まらないまま残っていることがあります。
行き先は3つです。お焚き上げ、寺に預ける永代供養、手元に残す。公表されている実額は郵送のお焚き上げが500円から10,000円、寺の位牌永代供養が1本3万円から。2026年7月31日時点で確認した公表額です。
この記事の目次
位牌の行き先は3つ。費用の桁を分けるのは供養をどこに頼むか
同じ位牌1本でも、示される額は3,000円台から30万円台まで開きます。片方が雑なのではなく、頼んでいる内容が別物です。位牌の始末は、焼いて終わらせるか、寺に預けて供養を続けてもらうか、手元に置いたままにするかの3つに分かれ、支払う額はこの選択でほぼ決まります。
位牌をどうするかという話が出るのは、四十九日で白木位牌から本位牌に替えたとき、三十三回忌などの弔い上げ、位牌が傷んで作り替えるとき、数が増えて仏壇に収まらなくなったとき、仏壇じまいや引っ越しで置き場所が無くなったときの5つです。実家じまいで来るのは、たいてい後ろの2つになります。
| 行き先 | 頼む相手 | 2026年7月31日時点で公表されている額 | 向く状況 |
|---|---|---|---|
| 郵送でお焚き上げ | お焚き上げを受ける寺、専門サービス | やすらか庵は封筒や箱のサイズで500円から10,000円。涙そうそうは木製位牌1柱で税込3,300円 | 手元に残す予定がない |
| 仏壇店や葬儀社に持ち込む | 仏壇仏具店、葬儀社 | はせがわの目安で10,000円から30,000円。大野屋は位牌1つにつき税込11,000円(対応地域は東京、一部地域と離島を除く) | 仏壇と同時に片づける |
| 菩提寺で閉眼供養とお焚き上げ | 付き合いのある寺 | はせがわの目安で10,000円から100,000円。お布施に定価はない | 法要として区切りたい |
| 寺に預けて永代供養 | 位牌堂のある寺 | 宝徳寺は1本3万円、追加1本につき3,000円 | 継ぐ人がいない |
| まとめて手元に残す | 自分と家族、仏壇店 | 繰出位牌や過去帳に集約する | 今は決めきれない |
金額の幅が大きいのは、供養に定価がないからです。お焚き上げの実費は数千円で収まる一方、寺に預けて何十年も供養を続けてもらう形は10万円台に乗ることもあります。先に決めるのは金額ではなく、位牌を「終わらせる」のか「預け続ける」のかです。
先に数える。位牌の本数で、得な数え方が入れ替わる
見積りを取る前に、仏壇の中の位牌が何本あるかを数えてください。料金の数え方が2通りあり、本数によって安い側が入れ替わります。
- 1柱いくら。涙そうそうは木製位牌が1柱で税込3,300円。本数に比例して増えます
- 入れ物いくら。やすらか庵は封筒や箱の大きさで決まり、宅配80サイズの箱なら定額5,000円。同じ箱に位牌が何本入っても額は変わりません
- 1本いくら+追加分。宝徳寺の位牌永代供養は1本3万円、追加は1本につき3,000円。2本目以降が大きく下がります
位牌が1本だけなら1柱単位が安く、3本以上あるなら箱単位のほうが下がります。宝徳寺の形なら、5本を預けても3万円と3,000円の4本分で、1本ずつ払う計算にはなりません。金額を聞くときは総額ではなく、数え方を先に聞くと比べられます。
数えるときの注意が1つあります。繰出位牌は箱の中に札板が何枚も入っており、外から見えるのは1本でも中身は複数です。中の札板を出して枚数を確認してから、本数として伝えてください。
閉眼供養が料金に入っているかを、最初の一言で確認する
位牌の料金でずれが出るのは、閉眼供養(魂抜き)が含まれるかどうかです。公表されている条件を並べると、扱いは3通りに割れます。
| 依頼先 | 閉眼供養の扱い |
|---|---|
| 涙そうそう(株式会社終楽) | お焚き上げ料金には含まない。閉眼供養が済んだ位牌をそのまま送る前提で、僧侶の手配は別サービス |
| お位牌Maker(RKDコーポレーション) | 魂抜き供養とお焚き上げを無料で受ける。負担するのは送料のみ |
| 大野屋(メモリアルアートの大野屋) | 僧侶の読経による閉眼供養を含む料金として公表 |
| 宝徳寺 | 持参時に本堂で追善供養を行ってから位牌堂に安置する |
菩提寺に頼む場合は、お布施なので定価がありません。仏壇店のはせがわが公表する目安では、菩提寺は10,000円から100,000円、仏壇仏具店や葬儀社は10,000円から30,000円、遺品整理業者は5,000円から10,000円の幅です。読経を伴うかどうかで幅の位置が動きます。
電話やフォームで最初に聞く一言は、いくらですかではなく「閉眼供養は込みですか」です。込みでなければ、僧侶を別に手配する分が後から乗ります。魂抜きそのものの手順と包み方は仏壇の魂抜きは必要?お布施の相場と依頼の手順で扱っています。
寺に預ける永代供養は、置き場所ではなく終わり方を買う
位牌を寺に預ける形は、預かってもらう契約ではなく、位牌が最後にどうなるかまでを含んだ契約です。料金と条件を公表している宝徳寺の例で中身を見ます。
- 位牌永代供養料は1本3万円、追加は1本につき3,000円
- 預かった古い位牌は3年間、位牌堂に安置される
- 3年の後、永代供養過去帳位碑に戒名、俗名、没年月日、行年を書き入れ、以後は永代に供養される
- 檀家になる必要はなく、宗旨宗派は不問。管理費や会費、寄付は徴収しない
- 事情があれば郵送での引き受けも相談に応じる
木の位牌そのものが半永久的に並び続けるわけではない、という点が要点です。位牌は一定期間を過ぎたら記名に置き換わり、供養の対象は碑や過去帳に移ります。これを知らずに預けると、後から見に行って位牌が無いことに驚きます。
寺を比べるときに確認するのは次の4点です。預かる年数、その年数が終わった後の位牌の扱い、管理費や入檀の要否、郵送を受けるかどうか。仏壇店のはせがわは位牌の永代供養の目安を100,000円から500,000円、一定期間の預かりを10,000円から30,000円としており、条件しだいで桁が変わります。遺骨側の永代供養と合わせて考える場合は永代供養の費用相場と、合祀か個別かの選び方を先に読むと、二重に払う組み合わせを避けられます。
ごみに出せるかは、宗教より先に自治体の区分で決まる
閉眼供養を済ませれば木の札になるのだから家庭ごみに出せる、という説明をよく見ます。ただ、行政の側が受け取るかどうかは別に決まっています。
枚方市の「50音順で探せる」ごみの分別一覧表(更新日2026年7月30日、2026年7月31日確認)では、仏具(ろうそく立て、鐘など)は粗ごみに区分されている一方、備考に「位牌は不可」と書かれています。仏壇は市で処理しないものに分類され、販売店や製造元に相談すること、原型がわからないように1メートル以下に分解されている場合は受付可、と条件が付いています。
つまり、供養を終えた位牌であっても、自治体によっては品目として受け付けません。区分は市区町村ごとに違うので、住んでいる自治体の分別辞典を品目名の「位牌」で引いてください。一覧に載っていなければ、ごみの担当課に品目名で問い合わせるのが早い手順です。実家が遠方なら、実家のある自治体の区分を見ます。
減らす選択もある。繰出位牌、過去帳、弔い上げ
位牌が増えて仏壇に入りきらないことが理由なら、処分ではなく集約で片づく場合があります。仏壇店のはせがわは、数が増えて収まらないときに繰出位牌や過去帳に替える方法を挙げています。
- 繰出位牌。箱型の位牌に札板を納め、複数のご先祖を1本にまとめる形
- 過去帳。戒名、俗名、没年月日、享年を記録として書き写す帳面。手を合わせる対象ではなく記録として残る
- 夫婦位牌。1本に2人の名を入れる。四十九日法要のタイミングで作り替える例が多い
- 弔い上げ。三十三回忌や五十回忌を最後の年忌として区切り、個別の位牌をまとめる
札板や過去帳の文字入れは、寺が書く場合と仏壇店が入れる場合があります。はせがわは、購入の前に文字入れをどちらがするか確認するよう書いています。順番を逆にすると、書き直しで費用が二重になります。
浄土真宗の家は、そもそも前提が違う
浄土真宗東本願寺派の本山である東本願寺は、公式サイトのよくある質問で「浄土真宗では、本来、お位牌は用いません」と示し、本山として法名軸や過去帳をすすめると書いています。亡くなった方はただちに浄土に往生して仏になるという教えのため、位牌に魂が宿りそれを供養するという考え方を取らない、という説明です。
白木の位牌については、一時的なものなので忌明けの後に寺へ相談してお焚き上げしてもらう、と同じページに記されています。過去帳は仏さまが安置された場所より一段低いところに置き、法名軸は仏壇の右か左の壁に掛ける、という置き方も示されています。
とはいえ、地域の慣習で位牌が仏壇に入っている浄土真宗の家は珍しくありません。教義の解釈は編集部の領域ではないので、位牌をどう扱うかは手次寺(他宗派でいう菩提寺)に確認してください。宗派が分からない場合は、位牌の文字や過去帳、法事を頼んできた寺の名前から遡れます。
白木位牌だけが残っている場合
葬儀で使う白木位牌は、四十九日法要で本位牌に替えると役目を終えます。法要の場でそのまま寺が引き取ることが多く、お位牌Makerは、多くの寺がお焚き上げの設備を持っており無償で対応することが一般的だと書いています。四十九日の場で頼むのが、手数も費用も一番かかりません。
気をつける場面が1つあります。無宗教で葬儀を行い、白木位牌だけを受け取って本位牌を作っていない場合です。白木を先に処分すると、手を合わせる対象が何も残りません。お位牌Makerは、宗派に属さない形で「◯◯之霊位」と記す本位牌を作る例も示しています。決めきれないなら、白木を置いたまま数か月考えても支障はありません。郵送のお焚き上げは後からでも受け付けられます。
誰が決められるのか。位牌は遺産分割とは別枠にある
位牌の始末で止まるのは、たいてい費用ではなく合意です。前提として、位牌のような祭具は相続財産を分ける話とは別の枠にあります。民法897条は、系譜、祭具および墳墓の所有権は慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継し、被相続人の指定があればその者が承継すると定めています。慣習が明らかでないときは家庭裁判所が定める、とも書かれています(e-Gov法令検索、2026年7月31日確認)。
編集部は士業ではないので、誰が承継者に当たるかの判断はしません。話がまとまらない、あるいは他の相続とからんでいる場合は、弁護士か家庭裁判所が窓口です。実務としてできるのは次の2つです。
- 兄弟や親族がいるなら、送る前に一報を入れる。位牌は後から作り直せますが、同じ物は戻りません
- 正面と裏の写真を撮り、戒名、俗名、没年月日、行年を書き写しておく。後から過去帳に移す場合も、寺に記名を頼む場合も、この控えがあれば足ります
仏壇と一緒に片づけるなら、位牌を先に送らない
実家じまいでは、位牌と仏壇が同じ日に問題になります。位牌だけを先に郵送で送ってしまうと、後から仏壇の閉眼供養でもう一度僧侶を呼ぶことになり、お布施が2回分になります。逆に、仏壇の引き取り日が決まっているなら、その日に位牌を含めて一度で済ませられます。
順番は、仏壇の引き取り日を先に決め、そこから法要の日を逆算し、位牌は当日に一緒に出す形が手数を減らします。仏壇本体の費用と依頼先の比べ方は仏壇の処分方法と費用|魂抜きから引き取りまでの順番にまとめています。
実家が空き家で立ち会いに行けない場合は、運搬だけを単発で頼む手もあります。仏壇の運び出しや荷物の搬出だけを切り出して頼めば、遠方から通う回数を減らせます。
よくある質問
位牌をごみに出すと法律違反になりますか
家庭から出る位牌は一般廃棄物にあたり、扱いは市区町村の区分に従います。ただし枚方市のように、位牌を収集品目から外している自治体があります。まず自分の自治体の分別一覧を確認してください。宗教上の当否は別の問題で、編集部は判断しません。
閉眼供養をしていないと引き取ってもらえませんか
依頼先によります。涙そうそうは閉眼供養が済んだ位牌を送る前提で、お位牌Makerは魂抜き供養とお焚き上げを込みで受けています。申し込みの前に、供養が含まれるかを確認してください。
遠方で寺に持ち込めません
郵送で受けている先があります。やすらか庵は封筒や宅配便のサイズで料金を決めており、宝徳寺も事情があれば郵送での引き受けを相談に応じるとしています。送料は依頼する側の負担です。
位牌を手放すと供養が途切れませんか
記録として残す形が用意されています。過去帳に書き写す方法のほか、宝徳寺のように、預かった位牌を3年安置した後に永代供養過去帳位碑へ記名し、その後も供養を続ける形があります。
