ホーム/仏壇/仏壇の中身の処分|本尊、りん、ろうそくの扱い

仏壇の中身の処分|本尊、りん、ろうそくの扱い

仏壇の中身の処分|本尊、りん、ろうそくの扱い

仏壇の中身は、ひとまとめには扱えない。品目ごとに答えが違う。

魂を入れたご本尊・掛軸・位牌は法要とお焚き上げ、りんや香炉などの仏具は自治体の分別でそのまま出せる、という二分が結論。閉眼供養のお布施は1〜5万円、郵送のお焚き上げは1点あたり数千円台からが目安(2026年7月時点)。線香の灰も燃えるごみで構わない。

この記事の目次
  1. 中身は2種類しかない。魂を入れたものと、道具
  2. 品目別の早見表
  3. 手を付ける前の順番。まず全部出す
  4. ご本尊と掛軸は、法要のあとで手放す
  5. りん、香炉、灰。道具側の実務
  6. お供え物、過去帳、遺影の扱い
  7. 費用の目安(2026年7月時点)
  8. どこに頼むかの選び方
  9. 避けたいトラブル
  10. よくある質問
  11. 迷ったら、この順で決める

中身は2種類しかない。魂を入れたものと、道具

仏壇の中に入っているものは、供養の対象と、単なる道具に分かれる。分ける基準は一つで、迎えたときに「開眼供養(魂入れ)」をした対象かどうか。

  • 法要の対象になるもの:ご本尊(仏像・掛軸)、脇侍(左右の掛軸)、お位牌
  • 道具として扱えるもの:りん、香炉、燭台、花立、仏飯器、経机、線香、ろうそく、経本、数珠、香炉の灰

仏壇仏具店の解説でも、供養の要否は「仏さまの魂が宿っているかどうか」で線が引かれている。三具足(香炉・燭台・花立)に代表される仏具に閉眼供養は必須ではなく、気持ちの区切りとして本尊や位牌の法要と一緒にお願いすることはできる、という整理になっている(いい仏壇「仏具の処分について」、メモリアル仏壇、2026年7月31日確認)。

相談者相談者
中身は全部お寺に持って行くものだと思っていた。
実家じまいナビ編集部実家じまいナビ編集部
持ち込みが要るのは上の2〜3点だけ。ここを分けずに一括で業者に頼むと、費用も手間も必要以上に膨らむ。

品目別の早見表

仏壇の中から出てくるものを、供養の要否と出し方でまとめた。分別の区分名は自治体で異なるため、最後は住んでいる市区町村の品目検索で確認する。

品目法要処分の出し方
ご本尊(仏像・掛軸)必要寺に預ける、またはお焚き上げ
脇侍(左右の掛軸)必要本尊とセットで同じ扱い
位牌必要お焚き上げ、または永代供養に預ける
過去帳不要処分せず引き継ぐのが基本
りん・りん棒・りん台不要不燃ごみ(真鍮は資源に回る自治体あり)
香炉・燭台・花立不要陶器は不燃、金属は不燃または資源
香炉の灰不要燃えるごみ
線香・ろうそく(未使用含む)不要燃えるごみ
経本・数珠不要可燃(数珠は素材で分別)
仏飯器・茶湯器・高坏不要素材ごとに分別
お供え物(花・果物・菓子)不要下げていただく、傷んだものは通常のごみ
遺影任意額とガラスを外して分別、抵抗があれば供養へ
神棚のお札神社へ寺に持ち込まない

位牌は法要と保管先の選択肢が別に必要になる。位牌の処分方法と費用|永代供養に預ける選択肢で扱っている。お札や神具は宗旨が違うため、神棚の処分方法とお札の扱い|神社に返す手順のとおり神社に返す。

手を付ける前の順番。まず全部出す

先に法要を頼んでしまうと、中身の確認が後回しになる。順番は次の5段階になる。

  1. 中身を全部出す。引き出し、扉の裏、下台、須弥壇の下まで。仏壇には引き出しが多く、普段触らない場所がある
  2. 引き継ぐものと処分するものに仕分ける
  3. 親族に連絡する。位牌と本尊の行き先だけは先に決めておく
  4. 法要を1回にまとめて依頼する
  5. 本体と仏具を処分する

仏壇メーカーの解説でも、隠し引き出しから札束が出てきた例に触れ、普段触らない部分まで調べるよう案内されている(現代仏壇「仏壇の処分方法」、2026年7月31日確認)。実際に出てくるものは、通帳、印鑑、権利書、株券、保険証券、古い写真、手紙、そして封をされた書面。

封をされた遺言書らしきものが出てきた場合、開封や取り扱いを自分で判断しない。編集部は士業ではないため、相続財産の分け方や税額の判断はしない。弁護士や家庭裁判所の窓口、税理士に確認する範囲になる。

作業前に扉を開けた状態で写真を撮っておくと、後から親族に説明するときに揉めにくい。

ご本尊と掛軸は、法要のあとで手放す

ご本尊は木、金属、紙、布でできていても、礼拝の対象として扱う。仏壇店の解説では、素材だけを見て分別ごみに出すのではなく、まず菩提寺に事情を話し、魂抜き(閉眼供養)を受けるよう案内されている。法要が済めば信仰の対象としての役割を終えるため、寺に預けてお焚き上げしてもらうか、引き取りがない場合は分別に従って処分する、という順になる(翠雲堂本店「ご本尊の処分方法は?」、2026年7月31日確認)。

宗派で呼び名が変わる

浄土真宗には魂を入れたり抜いたりする考え方がなく、閉眼供養とは呼ばない。仏壇や本尊を移すとき、処分するときは遷座法要(せんざほうよう)、遷仏法要(せんぶつほうよう)を勤める。真宗興正派の寺院が公開している解説でも、僧侶に魂を出し入れする力はないと明言したうえで、感謝と区切りの法要として位置づけている(慧光山善照寺、2026年7月31日確認)。同じ寺院の案内では、お布施の額は住職に相談すればよいとされている。

菩提寺がないとき

付き合いのある寺がない場合、選択肢は僧侶手配サービス、仏壇店の供養サービス、郵送で受け付けるお焚き上げの3つ。金額が明示されている分、いくら包むか迷わずに済む。掛軸に美術品としての価値がありそうなときは、処分の前に扱いを分ける(後述)。

りん、香炉、灰。道具側の実務

仏具は素材で分ける。木と紙は可燃、金属と陶器とガラスは不燃、真鍮などは資源として回収する自治体がある。線香、ろうそく、経本は燃えるごみになるのが一般的(いい仏壇、2026年7月31日確認)。区分の名前は自治体ごとに違うため、市区町村のごみ品目検索に「仏具」「金属」「陶器」と入れて確認する。

りん

りんについては、仏壇店大手のはせがわが公式解説で、不燃ごみとして処分でき、魂が宿る仏具ではないため処分時の読経は不要と説明している。そのまま捨てることに抵抗がある場合は、少量の塩をかけて清めるか、仏壇仏具店に引き取りを依頼する方法が挙げられている(はせがわ「お仏壇のリンの選び方」、2026年7月31日確認)。

香炉の灰

線香をあげる行為そのものが供養であり、燃え終わった灰は燃えるごみで問題ないと葬儀社の解説でも整理されている。ふるいにかければ灰は繰り返し使えるため、仏壇を残す場合は半分ほど戻して使う(小さなお葬式「お線香や灰の処分方法」、2026年7月31日確認)。

  • 完全に冷めてから触る。燃え残りがあると熱を持っていることがある
  • 紙やポリ袋で包んでから捨てる。舞い上がりやすい
  • まとめて排水口に流さない。詰まる
  • 庭にまく方法を案内する寺もあるが、集合住宅や隣家が近い場所では避ける

電池式のろうそくや配線のある灯篭は、電池を抜いたうえで小型家電や不燃の区分に従う。

お供え物、過去帳、遺影の扱い

お供え物は下げていただくのが基本になる。傷んだ果物や花は通常のごみとして出す。仏飯や茶湯は当日のうちに下げる。

過去帳は処分の対象に入れない。故人の名前と没年を記した家の記録で、浄土真宗では位牌の代わりに用いられる。仏壇を手放しても、過去帳は手元に残して引き継ぐ形が取られる。判断に迷う場合は寺に預かってもらえるか相談する。

遺影を飾り続ける決まりはない。額から外し、写真は可燃、ガラスと額縁は分別する。そのまま捨てるのが気になるなら、お焚き上げに出す品目として受け付けている寺や業者が多い。はせがわの解説では、お札、仏像、掛軸、位牌など魂が宿るとされるものは祈祷や読経を済ませてから処分すると整理されており、遺影はその線の外側に置かれることが多い(はせがわ「お焚き上げとは」、2026年7月31日確認)。

数珠は形見として残す人が多い。処分する場合は素材ごとの分別になる。

費用の目安(2026年7月時点)

金額は寺院、地域、品数で変わる。以下は幅としての目安で、依頼前に見積もりを取る前提の数字になる。

項目目安出所
閉眼供養のお布施(読経のみ)1〜5万円メモリアル仏壇
閉眼供養+お焚き上げ3〜5万円石材店の解説
寺院や業者への引き取り1〜3万円イオンのお葬式
仏具だけの処分費数千円〜1万円イオンのお葬式
僧侶を自宅に招く場合のお車代5千〜1万円イオンのお葬式
郵送で供養とお焚き上げ1点5千円前後、箱単位の設定もある供養整理の専門サイト
仏壇店に依頼1万円程度から真宗興正派善照寺
自治体の粗大ごみ(仏壇本体)1,000円前後の品目手数料の例ありくらしのマーケット

費用を抑える方向は決まっている。法要を1回にまとめる、供養が要るものだけをお焚き上げに回す、道具側は自分で分別して出す。自治体側も、仏壇本体は粗大ごみとして処分できると案内している例がある(豊田市よくある質問「仏壇を処分したいのですが、どうすればいいですか。」、2026年7月31日確認)。

どこに頼むかの選び方

依頼先は4つに整理できる。

  • 菩提寺:法要から引き取りまで一貫して頼める場合がある。近年は防災と環境の事情で境内でのお焚き上げを取りやめた寺もあるため、引き取りの可否を先に聞く
  • 仏壇仏具店:買い替えを伴わなくても引き取る店がある。宗派を問わないことが多い
  • 郵送のお焚き上げ:本尊、位牌、遺影など小さい品だけを送る。金額が明示されている
  • 遺品整理・不用品回収:仏壇本体と家財をまとめて出すときの選択肢。許可の確認が前提になる(次章)

仏壇本体の運び出しや解体まで含めて頼むなら、作業内容と料金を並べて比べたほうが差が見える。

運び出しと処分の料金を先に比べる

仏壇の運び出し、解体、不用品の回収は作業者によって料金差が出る。相見積もりで先に幅を把握しておくと、当日の追加請求を避けやすい。

作業の料金を比べる

本体そのものの段取りと費用は仏壇の処分方法と費用|魂抜きから引き取りまでの順番で扱っている。

避けたいトラブル

無許可の回収業者

家庭から出た不用品を回収して運ぶには、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可が必要になる。横浜市は公式に、産業廃棄物収集運搬の許可や古物商の許可では家庭の廃棄物を収集運搬できないと明示し、無許可業者に依頼しないよう呼びかけている(横浜市「無許可の廃棄物回収業者に注意!」、2026年7月31日確認)。京都市も同様の注意喚起を出しており、環境省も無許可の回収業者を利用しないよう案内している。無料をうたって荷を積んだ後に高額を請求する、回収物を不法投棄する、といった事例が挙げられている。

買い取りを名目にした訪問

古い掛軸や仏像に価値があると言われて自宅に呼ぶ場面は、訪問購入にあたる。国民生活センターによると、訪問購入には契約書面を受け取った日を1日目として8日間のクーリング・オフがあり、その期間は物品の引き渡しを拒める。売る意思のない貴金属を安易に見せないことも呼びかけられている。2023年9月27日の発表では、契約当事者が60歳以上の割合が全体の8割近くを占めるとされた(国民生活センター、2026年7月31日確認)。

価値を確かめたいなら、こちらから古物商の許可がある店に持ち込む。環境省の案内でも、中古品としての買い取りは古物商の許可を持つ業者に依頼するよう示されている。

先に処分して揉める

位牌と本尊は、家族の中で最も意見が割れる2点になる。処分を決める前に連絡を入れておくと、後から蒸し返されにくい。

よくある質問

中身だけ先に片付けて、仏壇は残しても構わないか

構わない。ただし法要を2回に分けると、お布施とお車代がその都度かかる。本尊、位牌、仏壇本体をまとめて1回で依頼するほうが総額は下がる。

開眼供養をしたかどうか分からない

記録が残っていないことは珍しくない。開眼供養をしていないと分かっている場合は閉眼供養なしでも差し支えないが、そのまま処分するのは申し訳ないという理由で法要を行う人が多い、と仏壇メーカーの解説でも触れられている。判断がつかないなら、行っておくほうが後の気がかりは小さい。

ごみ袋に入れて出すのが気になる

外から見えない袋に包む、白い紙に包む、少量の塩をかけて清める、といった方法が仏具店から案内されている。抵抗が消えないなら、その品だけ供養に回す。

仏具は売れるか

一般的な仏具はほとんど値が付かない。金や銀を使ったもの、美術品としての掛軸や仏像は例外で、専門に扱う店で見てもらう価値がある。

香炉の灰は庭にまいてよいか

一戸建てならまく方法を案内する寺もある。集合住宅や隣家が近い場所では飛散するため避け、燃えるごみとして出す。

迷ったら、この順で決める

  1. 中身を全部出し、通帳や書類が挟まっていないか確認する
  2. ご本尊、脇侍、位牌の3点だけを取り分ける
  3. 過去帳と遺影は、引き継ぐか供養に出すかを家族に確認する
  4. 残った仏具と灰は、自治体の品目検索で区分を調べて出す
  5. 取り分けた3点の法要と行き先を、菩提寺、仏壇店、郵送供養のいずれかで決める
  6. 本体の運び出しと処分を手配する

この順で進めれば、供養が要るものは2〜3点に絞られ、残りは通常のごみとして片付く。制度や料金は年度で変わるため、金額はいずれも2026年7月時点の目安として扱い、依頼前に見積もりで確認する。

ABOUT US

実家じまいナビ編集部

実家じまいナビ編集部 |沖縄に売れない土地を持つ当事者が運営

実家じまいナビ編集部です。運営者自身が沖縄に売れない土地を相続し、出口が見つからないまま維持している当事者です。役所と業者を回って分かった順番、実際にかかる費用、先に知っておけば防げたことを記録しています。法令の解釈が必要な部分は断定せず、調べ方と相談先を示す方針です。

実家の土地、まず相場だけ知る

無料で取り寄せる →