神棚の処分方法とお札の扱い|神社に返す手順

実家を片づけていて、鴨居の上の神棚だけ手つかずで残る家は多いです。
先に決まるのは1つ、お神札を神社に返すことです。宮形(木の社)は神社に納めると初穂料5千円前後から、郵送のお焚き上げで1万円前後、分解して自治体のごみなら無料から千円程度。判定と順番を下に置きます。
この記事の目次
神棚の中心にあるのはお神札。判定はここで割れる
神社本庁は、お神札を納める入れ物を宮形(みやがた)と呼び、神社を模した入れ物のことと定義しています。お焚き上げについても、古神札やお守りなど不要になった物を神火で焼く行事と説明しています(神社本庁「お神札のまつり方」/2026年7月31日確認)。
家でまつっているものは、宮形という木の箱と、その中のお神札に分かれます。返す先がはっきり決まっているのはお神札のほうです。神社本庁は、1年間おまつりしたお神札は年末に神社に納めてお焚き上げをしてもらい、新年に新しいお神札を受けるよう案内しています(神社本庁「お神札、お守り」/2026年7月31日確認)。
この分け方で見ると、扱いは4つに整理できます。
| 部分 | 何にあたるか | 出し先 |
|---|---|---|
| お神札・お守り・破魔矢 | 神社から受けたもの | 神社の古札納所、お焚き上げ |
| 宮形(木の社) | お神札を納める入れ物 | 神社に相談、販売店・業者、自治体のごみ |
| 神具(榊立て・水玉・皿・神鏡) | 陶器・金属・ガラス | 燃えないため別扱いになりやすい |
| 棚板・雲板・しめ縄 | 建具と飾り | 建具として撤去。しめ縄を受ける神社もある |
編集部は士業でも神職でもありません。まつり方や供養の可否そのものは神社の判断で、親族間で折り合わない場合は当事者同士の話し合いになります。ここで扱うのは窓口と費用と段取りだけです。
状況で分かれ道が変わる。5つの入口
神棚に手を付ける理由は家ごとに違いますが、実務で判断が割れるのはこの5つです。
| 状況 | 分かれ道になるところ |
|---|---|
| 古くなったので新しくする | 買い替えを条件に引き取り料金を下げる販売店がある |
| 引越しで置き場所がなくなる | 移す先を作るか、手放すかで窓口が変わる |
| 家を売る、解体する | 引き渡し日と解体日から逆算する。棚板の撤去まで含める |
| 家族が亡くなった直後 | 忌中は神棚を閉じる作法がある。片づけの日程がずれる |
| 借家や中古住宅に造り付けの神棚がある | 所有者に先に確認する。原状回復の範囲が絡む |
忌中の扱いは神社が明文で案内しています。陸中一宮 駒形神社(岩手県奥州市)は、忌中の50日までは神棚を閉じ、白い紙を貼り付けることもあるとし、50日が過ぎたときに忌明け清祓いを神社で受け、それから神棚への参拝を再開すると説明しています(陸中一宮 駒形神社「ご自宅の神棚」/2026年7月31日確認)。
置き場所がなくなる場合は、神棚ごと手放す以外の道もあります。神宮司庁は、お神札は通常は神棚に納めてまつるが、神棚のない場合は書棚の上など明るく清らかで目線より上にまつるとし、向きは南か東が一般的だが、間取りによってはふさわしい場所であれば向きは構わないと案内しています(伊勢神宮(神宮司庁)「お神札(神宮大麻)の祀り方」/2026年7月31日確認)。宮形だけ納めてお神札は移す形にすれば、かかるのは納めるぶんの費用だけです。
電話の前に測る3つと、動かす順番
神社や業者に問い合わせる前に、次の3つを控えておくと、やり取りが1往復で終わります。
- 寸法:宮形の幅・高さ・奥行。棚板があるなら棚板の長さも
- 素材の内訳:木のほかに、ガラス戸・陶器の神具・金属の金具・鏡が入っているか
- お神札の枚数と発行元:神宮大麻か、氏神さまのお神札か、旅先の神社のものか
3つめが効くのは、返す先の原則が神社側で決まっているからです。北海道神社庁は、いずれの神社のお神札でも納められるとしたうえで、遠方の場合を除きできるだけお神札を受けた神社に納めるよう案内し、焼納品は各神社で対応が違うのであらかじめ確かめて持参するよう求めています(北海道神社庁「古い神札や御守りはどうしたらいいのですか」/2026年7月31日確認)。
順番はこう組むと行き違いが減ります。
- 神棚を掃除する
- お神札とお守りを取り出し、白い紙に包んで分ける
- 氏神神社に電話し、お神札だけを納める場合と宮形ごと納める場合の可否・費用・持ち込み日を聞く
- 陶器・ガラス・金属の神具を別によける
- 宮形の出し先を決める(神社、販売店、業者、自治体のごみ)
- 棚板・雲板・釘の撤去と、壁の補修を段取りする
買い替えなら、新しい宮形を先に用意してお神札を移し、そのあとで古い宮形を納める順にすると、神社に行く回数が1回で済みます。
「神社に返す」は一様ではない。公開されている受付条件を並べる
神社に返すという言い方でまとめられがちですが、受け方も費用も神社ごとに違います。公開されている案内を2つ並べると幅が見えます。
小平神明宮(東京都小平市)は、古神札の納め方の案内で、神棚は廃祀昇神焚上焼納という神前祈願を受けたうえで預かるとし、事前の申し込みを求めています。初穂料は5,000円以上、これとは別に焚上料として量に関わらず1,000円を納める形が明記されています。包んできた紙やビニール袋は持ち帰ること、プラスチックやビニール系は有害物質が出るおそれがあるためお焚き上げできないことも書かれています(小平神明宮「古神札の納め方」/2026年7月31日確認)。
新潟総鎮守 白山神社(新潟市中央区)は、古神札納所を常時置いています。納められるものとしてお札・お守り・破魔矢・熊手・しめ縄・正月飾り・神棚・さかきを挙げ、納められないものとして人形・ぬいぐるみ・仏具・写真・財布などと並べて、神棚のガラスやお神酒のビンや缶類といった不燃物を挙げています。遠方で持参できない場合は近くの神社へ納めるよう案内しています(新潟総鎮守 白山神社「浄火」/2026年7月31日確認)。
2社を見比べると、確かめる点が3つに絞れます。
- 祈願とセットで受ける神社と、納所に納める形の神社がある
- 無料とは限らず、事前の申し込みが要る場合がある
- 木の部分は受けても、ガラスや陶器は受けないことがある
お神札・しめ縄・榊・神具・お供え。素材で分けて出す
一式まとめて持ち込むと、たいてい一部が戻ってきます。先に素材で分けます。
| もの | 一般的な扱い |
|---|---|
| お神札・お守り・破魔矢 | 神社の古札納所、お焚き上げ。1年おまつりしたものは年末に納めるのが基本形 |
| しめ縄・正月飾り | 納所で受ける神社がある。受付期間を切る神社もある |
| 榊 | 塩で清めて白紙に包み、可燃物として処分できるという販売店の案内がある |
| 水玉・皿・榊立て(陶器) | 燃えないため、お焚き上げの対象外とする神社がある |
| 神鏡・金具(金属・ガラス) | 同じく対象外になりやすい。販売店や業者に相談する |
| お供えの米・塩・酒・菓子 | 傷む前に下げ、料理に使うなどしていただくのがよいとされる |
榊と陶器・金属の扱い、お供え物を捨てずにいただくという説明は、仏壇と神棚を扱う販売店の解説に出ています(はせがわ「神棚の処分方法4選・費用相場」/2026年7月31日確認)。不燃物を受けないという線は、前の章の白山神社の案内とも一致します。
取り出し忘れが起きやすいのが、宮形の外に置かれた木のお神札です。東京都神社庁は、ご祈祷でいただいた木のお神札は宮形に入らないため宮形の左右におまつりすると案内し、神社からいただいた撤下(てっか)のお供物は粗末にならないよう心掛けて家族で召し上がること、いただいた供物や記念品は神棚に上げず清浄を保つことを説明しています(東京都神社庁「お神札・神棚について」/2026年7月31日確認)。棚の左右と奥も見てから外します。
費用はレール別に幅で見る(2026年7月31日時点)
金額は、どのレールに乗せるかで桁が変わります。同じ日に確認できた案内をレール別に並べます。料金は改定されるため、依頼前にその窓口で確かめてください。
| レール | 費用の目安 | 根拠になる公開情報 |
|---|---|---|
| 古札納所にお神札だけ納める | 額を示さない神社が多い。示す例で焚上料1,000円 | 小平神明宮は焚上料を量に関わらず1,000円と明記 |
| 神社で祈願とお焚き上げ | 5,000円から1万円台が中心。出張だと2万〜3万円という案内もある | 小平神明宮は初穂料5,000円以上と焚上料1,000円 |
| 郵送のお焚き上げ | 5,000円から1万5,000円程度 | 神棚の里は120〜160サイズで8,800円(税込) |
| 販売店の引き取り | 5,000円から3万円程度 | はせがわは買い替え時5,500円、引き取りのみ11,000円 |
| 遺品整理・不用品回収 | 作業一式に含む例と、別途祈祷料が要る例がある | 整理費用に含めて扱う業者があると比較サイトが解説 |
| 自治体のごみ | 無料から1,000円程度 | 分別区分と粗大ごみ手数料による |
郵送の金額は神具の販売店が箱のサイズで公表しているもので、神棚本体のほか、納めてある神具や陶製品にも対応するとされています(神棚の里「神棚お焚き上げサービス」/2026年7月31日確認)。販売店の引き取り料金は、買い替えを条件に下がる形が示されています(前の章のはせがわの案内)。神社への持ち込みと出張、郵送の相場感、遺品整理業者に頼む場合の内訳は、供養サービスや業者比較サイトの集計にも同じ幅で出ています(みんなのお焚き上げ「神棚処分の方法、理由、料金」/みんなの遺品整理「神棚の処分はどうすればいい?」/2026年7月31日確認)。
相見積もりを取るときは、次の3つを同じ条件にそろえて聞くと比べられます。
- 祈願(お祓い)を付けるかどうか
- 持ち込みか、引き取りに来てもらうか
- 陶器と金属の神具を含めるかどうか
自治体は宗教の可否を判定しない。ごみに出す場合の実務
ごみに出す判断には、宗教上の可否と分別区分という別々の話が混ざります。役所が答えるのは後者だけです。
横浜市のごみ分別辞典は、神棚の項目に「新しいものに買い替えるときは、神社に相談してください」、仏壇の項目に「新しいものに買い替えるときは、寺院に相談してください」と載せています(横浜市ごみ分別辞典 MIctionary(か行)/2026年7月31日確認)。窓口を神社と寺院に振り分けているだけで、まつり方の可否そのものは示していません。
区分は大きさで決まります。大阪市の場合、普通ごみは最大の辺または径が30センチメートル以内、あるいは棒状で1メートル以内のものとされ、これを超えるものは粗大ごみになります(大阪市「普通ごみ収集」/大阪市「ごみの出し方」/2026年7月31日確認)。同市の品目別収集区分一覧表(50音順)に神棚の行は見当たらないため(2026年7月31日確認)、品目名で調べるより、木製の箱として寸法で問い合わせるほうが早いです。
実務としては次の形になります。
- ガラス戸・陶器の神具・金具は先に外し、それぞれの区分で出す
- 木の宮形は、寸法が基準内なら燃やすごみ、超えるなら粗大ごみ。分解して基準内に収める手もある
- 粗大ごみは事前の申し込みと手数料券が要る自治体が多い。収集日は数日先になる
- お神札だけはごみに入れず神社に返す形にしておくと、あとで親族に説明しやすい
棚板・雲板・釘。降ろした後にもう一段ある
宮形を降ろして終わりにすると、引き渡しの直前で止まります。残るのは建具のほうです。
- 棚板と受け金具、吊り下げ用のボルト
- 雲板(宮形の上に付ける飾り板)と、しめ縄を留めた釘
- 天井や壁に貼った雲の字の紙
- 金具を抜いたあとの穴と、日焼けで色が変わった壁
建物ごと解体するなら撤去は要りません。そのまま売る場合と、借家で原状回復が要る場合は別の手配になります。高い位置の作業で脚立と2人がかりになることが多いので、片づけ全体の見積もりに最初から入れておくと日程が崩れません。
敷地に残る祭祀まわりのものは神棚だけではありません。古い井戸が残っている家は、埋め戻しとお祓いの段取りが別に発生します(井戸の埋め戻し費用と、お祓いは必要かという話)。
棚板の撤去と運び出しだけを頼みたいとき
神棚を降ろしたあとの棚板の取り外し、宮形や神具の運び出し、部屋まるごとの不用品回収まで、単発の作業として料金と口コミを並べて比べられます。作業範囲を決めてから金額を見比べる用途に向きます。
作業の料金を比べる仏壇と神棚は窓口が違う。同じ日には片づかない
実家に両方ある家は珍しくありませんが、電話先が2つに割れます。並べて確認しておくと日程が組めます。
| 項目 | 神棚 | 仏壇 |
|---|---|---|
| 中心にあるもの | お神札 | 本尊と位牌 |
| 相談する先 | 神社(氏神さま) | 寺院 |
| 儀礼の呼び方 | 神社により異なる。廃祀昇神焚上焼納や清祓という名で案内する神社がある | 閉眼供養(魂抜き)などと呼ばれる |
| 費用の入口 | 初穂料 | お布施 |
| 自治体の案内 | 神社に相談 | 寺院に相談 |
神棚側の呼び方は前出の小平神明宮の案内、忌明けの清祓いは駒形神社の案内が根拠です。仏壇のほうは手順も相場も別なので、仏壇の処分方法と費用|魂抜きから引き取りまでの順番と仏壇の魂抜きは必要?お布施の相場と依頼の手順に分けてあります。両方ある家は、日程の制約が固い側から押さえます。寺の法要日と神社の受付日を先に当たり、動かせないほうに全体を合わせます。
よくある質問
神棚を処分するとよくないことが起きますか
宗教上の可否は神社の判断で、編集部が答えられる範囲ではありません。事実として言えるのは、神社本庁がお焚き上げを不要になった物を神火で焼く行事として説明していること、実際に神棚を受け付ける神社が公開の案内を出していることです。気になる場合は、祈願を付けるレールを選ぶと手順として形が残ります。
お神札を受けた神社が遠い、どこで受けたか分からない
北海道神社庁は、いずれの神社のお神札でも納められるとしています。白山神社も、遠方で持参できない場合は近くの神社へ納めるよう案内しています。まず氏神神社に電話するのが早道です。
のし袋の表書きは何と書きますか
神社本庁は、お供えの表書きとして初穂料のほか、御神前、御供、玉串料、御榊料という書き方があり、どれを使用しても構わないと説明しています(神社本庁「初穂料・玉串料のマナー」/2026年7月31日確認)。金額と表書きは、申し込みのときに神社へ一緒に確認します。
どんど焼きに神棚ごと持ち込めますか
神社によります。北海道神社庁は焼納品の扱いが各神社で違うため、あらかじめ確かめて持参するよう求めています。白山神社のように、木の神棚は受けてもガラスは受けないという線引きを公開している神社もあります。
宮形は何年で新しくするものですか
神社本庁が年ごとの取り替えを案内しているのはお神札のほうで、宮形の年数についての決まりは示されていません。販売店の解説では、汚れや傷みが出た頃合いとして5年から10年、また20年ごとの式年遷宮に合わせる考え方が紹介されています(はせがわ「神棚の処分方法4選・費用相場」/2026年7月31日確認)。
業者に頼むと供養もしてもらえますか
作業料金に含める例と、祈祷料が別途になる例の両方があります。見積もりの段階で、祈願の有無と、その費用がどちらに入っているかを聞いておきます。
手放す日から逆算した段取り
手放す日が決まっているなら、ここまでを日程に落とすと次の並びになります。買い替えだけなら1と5は要りません。
- 引き渡し日、または解体日を確定する
- 3〜4週間前:氏神神社に電話し、受付条件・費用・持ち込み日を確定する
- 2週間前:掃除、お神札とお守りを取り出して白紙に包む、神具を素材別に分ける
- 1〜2週間前:宮形を納める、または販売店や業者に渡す。自治体の粗大ごみで出すなら申し込み
- 直前:棚板・雲板・釘の撤去と、壁の補修
忌中に当たる場合は、この全体を忌明けのあとに置き直します。年末から正月にかけては古神札の受付が集中するため、持ち込み日が限られることもあります。日程が動かせないなら、郵送のお焚き上げか、祈願を付けられる業者のレールに寄せると読みやすくなります。
片づけの人手と運び出しを比べる
神棚まわりだけでなく、家財の運び出しや部屋の片づけまで頼む場合は、作業単位で料金と口コミを並べて比べられます。作業範囲を決めてから金額を見比べる使い方に向きます。
作業の料金を比べる