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石灯籠の処分費用と、寄贈や引き取りの可否

石灯籠の処分費用と、寄贈や引き取りの可否

庭に残った石灯篭は、分解しても自治体のごみに出せないことがほとんどです。量の問題ではなく、石が廃棄物に当たらないという整理をしている自治体が多いためです。

費用の目安は重さ単価で1kgあたり30〜60円、1基まるごとでは3万〜10万円。寄贈や買取が成立する例は少なく、撤去費用がかかる前提で組むほうが計画は崩れません(2026年7月31日確認)。

この記事の目次
  1. 灯篭は自治体のごみに出せない。ここが出発点
  2. 処分費用の相場は、重さ単価と1基単価の2通りで出る
  3. 見積りを取る前に、こちらで押さえておく4項目
  4. 費用の内訳と、金額を上下させる条件
  5. 処分ルート6つを比較する
  6. 寄贈と引き取り、買取は成立するのか
  7. 供養や魂抜きをどう扱うか
  8. 自分で解体するのは現実的か
  9. 見積もりの取り方と、見積書で確認する6点
  10. 実家じまいの中で、灯篭をいつ片づけるか
  11. よくある質問

灯篭は自治体のごみに出せない。ここが出発点

石灯篭の処分でまず引っかかるのが、ごみとして出せないという壁です。理由は量が多いからではなく、石や土砂を廃棄物に当たらないものとして整理している自治体が多いためです。

東京都港区は、園芸などで使った土・砂や石、ブロック、レンガについて「廃棄物ではないため、区では収集できません」と明記し、代わりに民間の専門業者を案内しています(港区「土・砂や石・ブロック・レンガ」2026年7月31日確認)。世田谷区も「廃棄物に該当しない、または清掃工場などのごみ処理施設の故障につながる恐れがあるため区では収集できません」と説明しています(世田谷区「土・砂や石・ブロック・レンガの処分」同日確認)。

ただし全国一律ではありません。横浜市は土・石について「一度に多量にならないよう少量ずつ」燃えないごみの収集日に透明または半透明の袋で出すよう案内しています。山口市は、人力2人で運搬できる程度(50kgを目安)で1〜2個程度なら燃やせないごみの持込施設に持ち込める、それを超えるなら民間の残土処分場や造園業者・石材店に相談するよう案内しています(両市とも同日確認)。

灯篭がこの少量ルールに乗りにくい理由

灯篭は宝珠・笠・火袋・中台・竿・基礎という部材の積み重ねで、分解できる構造のものが多くあります。ところが1部材だけで数十kgになることが珍しくなく、袋に入れて集積所に出す前提の運用にはまず収まりません。竿の下がコンクリートで打たれていれば、その基礎も別に壊す必要が出ます。

自治体ルートを主計画に置かないこと。そのうえで、自分の市区町村のごみ分別ページで石の扱いだけは確認しておくこと。この2つが出発点になります。

処分費用の相場は、重さ単価と1基単価の2通りで出る

灯篭の撤去費用は、重さの単価で積む方法と、1基いくらで見る方法の2通りで示されます。

重さ単価は、鎌倉新書が運営する「いいお墓」が1kgあたり30〜45円、解体無料見積ガイドが関東一円で1kgあたり30〜45円、石材廃棄物を扱う信太商店が関東近辺で1kgあたり40〜60円としています(いずれも2026年7月31日確認)。地域と業者で開きがありますが、おおむね1kgあたり30〜60円のレンジに収まります。

1基いくらで見た場合の目安は次のとおりです。

条件費用の目安出典
人力で扱える小型1基(解体作業そのもの)5,000円以内解体無料見積ガイド
庭の石灯篭1基(撤去から処分まで)3万〜10万円造園・外構業者ニワートの解説
大きな石・灯籠を造園業者や解体業者に依頼3万〜5万円大阪の業者比較サイト
重機を使う作業になる場合10万円前後同上
倒壊した5段程度の石灯篭の撤去事例120,000円片付け110番マガジン

解体無料見積ガイドは「灯籠1基の解体は、ほぼ5,000円以内で収まります」としています。数万円という他の数字と桁が違って見えますが、これは解体という作業単体の金額で、重機の回送、運搬、処分場の受入費が別に乗ります。見積書で何がどこまで含まれているかを揃えないと、そもそも比較になりません。

相談者相談者
同じ灯篭なのに、5千円と12万円の記事が両方出てくるのはなぜですか
実家じまいナビ編集部実家じまいナビ編集部
含まれる範囲が違うためです。作業だけの単価か、運搬と処分場代まで込みかで金額が動きます。見積りを取るときは「処分費込みの総額」で聞くと揃います。

見積りを取る前に、こちらで押さえておく4項目

業者に投げる前に手元で確認できることがあります。ここが曖昧なままだと、現地調査のあとで金額が動きます。

1. 重さのあたり

石灯篭の重量は数十kgから数百kgとされ、運搬や取り扱いには特別な機材や複数人での作業が必要になります(片付け110番マガジン、2026年7月31日確認)。体積が同じでも石材の種類によって比重が違うため、見た目の大きさだけでは重さは決まりません(解体業者ACTIVEの庭石解説、同日確認)。正確な実測はできないのが普通なので、全体の高さと各部材のおおよその寸法、写真を渡すのが現実的です。

2. 搬出経路

門扉の幅、通路の幅と段差、トラックを停められる位置、トラッククレーンなどの重機が敷地に入れるかどうか。費用が石そのものより搬出条件で動くのは、庭石でも灯篭でも同じ構造です。

3. 基礎の有無

竿の下がコンクリート基礎で固定されているか、据えてあるだけか。基礎を残すか撤去するかで作業も金額も変わります。売却を予定しているなら、地中に構造物を残さない方向で相談しておくほうが後の説明が楽になります。

4. まとめて出せるもの

庭石、つくばい、沓脱石、ブロック塀、砂利。複数の石や石灯篭をまとめて依頼すると運搬費や重機費を分けられるため、1個あたりのコストを抑えやすくなります(外構業者ホリオの解説、同日確認)。灯篭1基だけの単独発注がいちばん割高になりやすい点は覚えておいてください。

費用の内訳と、金額を上下させる条件

灯篭の撤去費用は、作業員の人件費、解体費、運搬車両費、処分場に支払う処分代に分かれます(ニワートの解説、2026年7月31日確認)。ホリオの解説も人件費・重機費・運搬費・処分費の4区分で説明しています(同日確認)。石材は重量に応じた処理費用がかかるため、重さと運びやすさが金額の中心になります。

  • 重機が要るか要らないか:人の背丈を超える大型は重機の使用が前提になり、その分が上乗せされます。手作業で対応できる規模なら重機費はかかりません
  • 搬出距離と経路:クレーンを寄せられず、部材を人力で担ぎ出す距離が長いほど人件費が伸びます
  • 破砕の要否:そのまま吊り上げられない場合、割ってから搬出することになり手間が増えます
  • まとめ依頼か単独か:運搬費と重機の回送費は1回いくらの性格が強く、まとめるほど1基あたりが下がります

撤去された石材は、処分場で破砕されたあと、埋め立て用の砕石や土木用の砕石として利用されるのが一般的です(いいお墓、らいふぱるの解説、同日確認)。焼却して減量できる素材ではないため、処分費が重量に比例するのはこの流れによります。

処分ルート6つを比較する

依頼先によって、得意な範囲と金額の出方が違います。灯篭1基だけなのか、庭ごと片づけるのか、建物の解体まで見えているのかで選び分けます。

依頼先向いている場面注意点
造園業者庭の手入れを頼んでいる先がある/撤去後に庭を作り替える石材の処分に対応していない業者もあるため事前確認が要る
石材店状態のよい御影石製など、引き取りや下取りの可能性を探りたい取り扱いは店ごとに違う。回収を掲げていない店も多い
解体業者庭石やブロック塀もまとめて/建物の解体を予定している灯篭が見積り範囲に含まれているか明記してもらう
不用品回収業者とにかく早く片づけたい/石材対応の実績がある業者が近い石材に対応できる業者かどうかで可否が分かれる
自治体の持込施設小型で、自治体の受入条件に収まる場合のみ山口市の50kg・1〜2個のように条件つき。不可の自治体も多い
個人への譲渡引き取り手が自力で運び出せる場合掘り取りと運搬を誰が負担するかを先に決める

庭石の処分についても、業者の選び方と費用の動き方は同じ考え方になります。あわせて読むなら庭石の処分費用はいくら?運び出しで決まる相場の話が近い内容です。

灯篭1基だけ、まず料金を見たいとき

作業ごとに料金と口コミが出ているサービスなら、庭の不用品の撤去や運び出しを、条件を伝えて比べられます。小規模な作業から相談したい場合の入口として使えます。

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寄贈と引き取り、買取は成立するのか

費用をかけずに手放したいと考えたとき、候補に挙がるのが寺社への寄贈、石材店の引き取り、骨董としての買取です。それぞれ成立条件が違います。

寺社への寄贈

神社仏閣の灯籠は、寄進した人や団体の名を刻んで奉納されてきたものです。春日大社には約3,000基の灯籠があり、平安時代から現代まで貴族・庶民・企業と多様な寄進者によって奉納されてきたと紹介されています(奈良市観光協会、2026年7月31日確認)。つまり寄進は新しく据えることが前提の文化であり、庭にあった中古の灯篭を引き取ってもらう制度ではありません。

加えて、受け入れる側には据付の基礎工事と、その後の維持管理と倒壊リスクの責任が発生します。石灯籠は年月がたつと風化して傷み、倒壊の危険が出るため修繕や再建が必要になる、と住吉大社の調査に基づく記事でも指摘されています(日本経済新聞、同日確認)。断られる前提で問い合わせるのが現実的で、寄贈をあてにして撤去の予算を組まないほうが安全です。

石材店の引き取り・下取り

石灯篭や庭石の買取り・下取り・引き取りをサービスとして掲げている石材店は実在します(石材店の吉祥「石灯篭・庭石製品をお譲りください」2026年7月31日確認)。撤去費用の一部を相殺できる可能性があるルートなので、状態のよいもの、御影石製のものは、処分を決める前に近隣の石材店へ写真を送って聞いてみる価値があります。

買取の実態

ただし期待値は高くありません。古美術商のますけんは「石灯籠は人力で動かせるサイズでないと、現在需要がありません」「現在、石灯籠単品でのご対応も難しい状況です」と明示しています(同日確認)。解体無料見積ガイドは、灯籠が買い取られるのは100件につき1〜2件ほどで、ほとんどは石として撤去されるとしています(同日確認)。灯篭全体の買取相場も1万円程度までとされ、大型で重量のある石灯篭は買取価格がつかない場合がほとんどとされています(高く売れるドットコムマガジン、同日確認)。

買取額より運搬コストのほうが大きくなるのが石灯篭の構造的な問題です。買取は費用削減の主軸ではなく、当たれば得をする例外として扱ってください。

供養や魂抜きをどう扱うか

石灯篭には、神社ではご神体や神様の通り道を照らす、寺では本尊を照らすといった意味があるとされ、撤去にあたってお祓いやお清めをしてから廃棄するケースが少なくないと説明されています(信太商店、2026年7月31日確認)。神社仏閣の石材工事を専門に扱う業者も、先祖代々の灯篭やお社の近くにあった灯篭は、お清めをしてから解体・撤去していると書いています(らいふぱる、同日確認)。

宗教的に必要かどうかは家ごと宗派ごとの判断で、編集部が要不要を決める立場にありません。実務として決めておくべきは次の2点です。

  1. 順番:供養を行うなら撤去工事の前に済ませる。工事日を先に押さえてしまうと日程が合わなくなる
  2. 依頼先:菩提寺や氏神がある場合はそちらに相談する。心当たりがない場合、石材工事業者が神職や僧侶の手配に対応していることがある(らいふぱる、同日確認)

お布施や初穂料は寺社ごとに異なり、公表された相場が確認できなかったため金額の目安は示しません。問い合わせのときに、灯篭1基のお清めであること、屋外での実施になることを伝えて直接確認してください。

自分で解体するのは現実的か

費用を抑えるために自力解体を考える人がいますが、条件が限られます。

古い灯篭は部材が接着されていないケースが多く、大きな揺れで上部の部材が落下して建物や人に被害を及ぼす可能性がある、と造園業者は指摘しています(ニワート、2026年7月31日確認)。積んであるだけということは、動かした瞬間に崩れるということでもあります。数十kgから数百kgの石が足の上に落ちる事故は、庭で起きても救急の対象です。

もう一つの壁が、解体できても捨て先がないことです。ばらしても自治体のごみには出せないことがほとんどで、持ち込みも受け付けていない自治体があります。自治体の受入条件(山口市の50kg・1〜2個など)に収まる小型のものだけが、自力ルートの射程に入ります。

庭に埋める、山に置くは選択肢にならない

廃棄物処理法は「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」と定め、違反して投棄した場合は5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその併科と定められています(仙台市「廃棄物の不法投棄は法律により罰せられます」2026年7月31日確認)。石灯篭がこの条文上どう扱われるかは、状態や経緯によって評価が分かれる領域です。編集部は法令の解釈を行いません。判断が要る場面では自治体の廃棄物担当課に確認してください。

敷地内に埋め戻す案も、後で土地を売る予定があるなら勧められません。地中埋設物は買主への説明事項になり、造成や建て替えのときに掘り返す費用が発生します。売買での責任の範囲は契約内容によるため、不動産会社や弁護士に確認する範囲です。

見積もりの取り方と、見積書で確認する6点

灯篭の撤去は現地条件で金額が変わるため、電話や写真だけの概算は仮のものと考えてください。搬出条件(重機が入れるかどうか)は写真だけでは正確に判断できないと外構業者も指摘しています(ホリオ、2026年7月31日確認)。

複数社に当たるときは、灯篭の高さと基数、庭石など同時に処分したいものの有無、入口の幅、駐車位置という条件を全社に同じ文言で伝えます。条件が揃っていない見積りは金額を比べても意味がありません。

  1. 処分費(処分場の受入費)が総額に含まれているか
  2. 基礎まで撤去するのか、地上部だけか
  3. 重機を使う前提か、使う場合の回送費が入っているか
  4. 養生と、作業後の地面の復旧がどこまでか
  5. 追加費用が発生する条件(岩盤、想定外の重量、雨天順延など)
  6. 廃棄物の処理を誰がどの許可でどこへ運ぶか

6番目は軽視されがちですが、不適正な処理の入口になる部分です。産業廃棄物の収集運搬許可の有無を聞いて答えられる業者を選んでください。

庭石や建物の解体とまとめて見積りたいとき

灯篭単独より、庭石や建物の解体とまとめたほうが運搬費と重機費を分散できます。複数社の解体費用を無料で比べられるサービスで、条件を揃えた見積りを集めるところから始められます。

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実家じまいの中で、灯篭をいつ片づけるか

灯篭単独で業者を呼ぶと、運搬費と重機の回送費が丸ごと1基に乗ります。実家の片づけ全体で見ると、次の順番で考えるほうが総額は下がります。

  • 建物を解体する予定がある:解体工事の見積り範囲に灯篭と庭石を入れてもらう。庭の残置物は更地にする際にどのみち処分が必要になります
  • 建物は残して売る/貸す:庭まわりをまとめて1回で片づける。灯篭・庭石・伸びた庭木・古いブロック塀を同じ見積りに入れる
  • まだ住む予定がある:倒壊リスクだけ先に潰す。傾いている、上部がずれている灯篭は、撤去より先に安全側の相談をする

庭には灯篭のほかにも、単独で残ると扱いに困る構造物があります。池がある場合の手順と費用は庭の池を埋める費用と、埋める前に必要な確認にまとめています。

相談者相談者
実家が空き家のままで、庭に灯篭と庭石が残っています
実家じまいナビ編集部実家じまいナビ編集部
個別に頼まず、庭の石ものを一括の見積りにまとめてください。1回の搬入出で済ませられるかどうかが、この分野でいちばん金額を動かします。

よくある質問

分解して少しずつごみに出せますか

自治体によります。港区や世田谷区のように石を収集しない自治体では、分解しても出せません。横浜市のように少量ずつなら燃えないごみで出せる自治体、山口市のように重さと個数の条件つきで持込施設が使える自治体もあります(いずれも2026年7月31日確認)。1部材が数十kgになることが多い点も含めて、住んでいる市区町村の分別ページで確認してください。

コンクリート製の灯篭でも同じ費用ですか

自然石を加工した灯篭と、コンクリートなどで人工的に造られた灯篭では処理が違うとされています(いいお墓、同日確認)。買取の対象からはコンクリート製が外れている例もあります(ますけん、同日確認)。材質は見積り時に伝えてください。

買取がつく可能性が高いのはどんな灯篭ですか

人力で動かせるサイズであること、傷がないこと、作家物や希少な石材であることが挙げられています(ますけん、高く売れるドットコムマガジン、同日確認)。裏を返せば、庭に据えられた大型の石灯篭はこの条件から外れます。

相見積もりは何社取ればいいですか

件数の正解は確認できませんでしたが、石灯篭の処分費用は業者によって差が出るため相見積もりを勧める記事が複数あります。条件を揃えて出せることが前提なので、同じ説明文を使える範囲の社数に留めるのが現実的です。

建物の解体と同時に頼めますか

頼めます。ただし庭の石灯篭が見積り範囲に含まれているかを事前に確認する必要があります。庭の残置物は解体の見積りから漏れやすい項目です。

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実家じまいナビ編集部

実家じまいナビ編集部 |沖縄に売れない土地を持つ当事者が運営

実家じまいナビ編集部です。運営者自身が沖縄に売れない土地を相続し、出口が見つからないまま維持している当事者です。役所と業者を回って分かった順番、実際にかかる費用、先に知っておけば防げたことを記録しています。法令の解釈が必要な部分は断定せず、調べ方と相談先を示す方針です。

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