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仏壇の運搬を頼む先と費用|横倒しにできない理由

仏壇の運搬を頼む先と費用|横倒しにできない理由

仏壇をどう運ぶのか、どこに頼めばいいのかが分からないまま、手が止まっている状態はよくある。

結論から。運搬だけなら引越し業者のオプションで1〜2万円前後、仏壇専門業者ならサイズと距離で3〜15万円が目安になる。立てたまま運ぶのが原則で、横倒しは構造上の理由で避ける。位牌とご本尊は業者に預けず手で運ぶ。

この記事の目次
  1. 仏壇の運搬を頼める先は4つ。費用と向き不向き
  2. 横倒しにできない理由。仏壇は箱ではなく組み物
  3. 費用の内訳。運搬費とお布施は別勘定
  4. 宅配便やヤマト運輸で送れるのか
  5. 依頼する前に測る3つの寸法と、搬出経路
  6. 魂抜きと魂入れ。宗派で呼び方も要否も違う
  7. 当日の段取り。積む順序は業者の指示に合わせる
  8. 運ぶ先がまだ決まっていないとき
  9. 見積もりで確認する8項目
  10. よくある勘違いを3つ

仏壇の運搬を頼める先は4つ。費用と向き不向き

運搬の依頼先は大きく4つに分かれる。金額の幅が広く見えるのは、作業内容がまったく違うものを同じ「運搬」という言葉で呼んでいるからだ。

依頼先費用の目安向いている場合
引越し業者のオプション1〜2万円が相場、条件により1〜5万円引越しと同時に動かす。上置き型や中型で、搬出経路に無理がない
仏壇店・仏壇引越し専門業者3〜8万円。大型は8〜15万円金仏壇や大型の唐木仏壇。分解と組み立て、仏具の飾り直しまで任せたい
くらしのマーケット等の個人事業者作業内容ごとに事業者が料金を提示家の中での移動、引き取り、魂抜きの手配など、範囲を区切って頼みたい
自分で運ぶ車両代とガソリン代のみ上置き型で近距離。2人以上を確保でき、破損の責任を自分で負える

引越し業者に頼む場合の運搬費は10,000円〜20,000円が相場とされ、業者によっては仏壇の移動だけ専門業者に外注してオプション料金が加算される(LIFULL引越し・2026年7月31日確認)。仏壇専門業者側の目安は小型3〜5万円、中型5〜8万円、大型8〜15万円で公開されている(仏壇技巧やすらぎ工房、クマダ・同日確認)。

相談者相談者
同じ仏壇なのに、なぜ1万円と10万円の見積もりが並ぶのか
実家じまいナビ編集部実家じまいナビ編集部
1万円は「積んで運ぶ」だけの金額、10万円は「分解して、養生して、運んで、組み立てて、仏具を元どおりに飾る」までの金額。見積書のどこまでが含まれているかで比べる

横倒しにできない理由。仏壇は箱ではなく組み物

タンスや冷蔵庫と同じ感覚で寝かせると壊れる。理由は仏壇の作りにある。

  • 細い部材の組み合わせでできている。障子、欄間、宮殿(くうでん)、須弥壇、膳引きといった部品が、框(かまち)で組まれて自重を縦方向に受けている。横にすると荷重の向きが変わり、接合部が開く
  • 扉と蝶番に負担がかかる。寝かせた状態では扉が自重で開こうとし、蝶番と框に横向きの力が集中する
  • 引き出しと膳引きが滑り出る。走行中の揺れで飛び出し、内側の塗りを傷つける
  • 金箔と漆は擦れに弱い。ぶつけていなくても、養生材とこすれるだけで箔が動く

実務側の指示も一致している。トラックには「できるだけ横にせず、立てたままの状態で積み、倒れないよう固定する」(LIFULL引越し・2026年7月31日確認)。仏壇店の解説では、水平を保って運び、30度以上傾けないことを目安として挙げている(クマダ・同日確認)。

どうしても立てて積めない寸法の場合は、専門業者が現地で分解して部材ごとに運ぶ。素人が寝かせて運ぶ選択肢の代わりが、分解になる。

費用の内訳。運搬費とお布施は別勘定

総額が読めなくなるのは、性質の違う費用を1つの数字で考えるからだ。分けると次の3本になる。

1. 運搬費(業者に払う)

公開料金を出している仏壇店の例では、作業員2名で25km未満30,000円、50km未満50,000円、100km未満70,000円、100km超は別途見積もり。人員が3名になると10,000〜30,000円、4名で20,000〜60,000円の加算。小型の上置き仏壇は営業エリア内15,000円(お仏壇の浜屋・税込・2026年7月31日確認)。距離で上がる構造はどの業者も共通で、10kmごとに小型2,000円、中型3,000円、大型4,000円という加算例もある(クマダ・同日確認)。

2. お布施(寺院に渡す)

閉眼供養と開眼供養を合わせて1〜3万円程度とする例(はせがわ)、それぞれ1〜5万円とする例(引越し侍)があり、地域と寺院で開く。御車代は5,000〜10,000円が別途(いずれも2026年7月31日確認)。金額に迷ったら、菩提寺か地域の年長者に直接聞くのが早い。

3. 加算されやすい費用

繁忙期の割増、土日祝の割増、階段作業、吊り上げ、一時預かり。参考として、大型家具1点を運ぶ家財おまかせ便は引越シーズン(3月1日〜4月30日)にシーズン加算料金2,200円(税込)/件が発生すると明記されている(008008.jp公式・2026年7月31日確認)。

宅配便やヤマト運輸で送れるのか

「送れるかどうか」ではなく「寸法と品目の条件に当たるかどうか」で判断する。

ヤマト運輸の宅急便は、縦・横・高さの合計が200cm以内、重さ30kgまでが上限。サイズの規定内でも、荷物の大きさや価格、梱包状態によって送れない荷物があると公式に書かれている(ヤマト運輸公式・2026年7月31日確認)。上置き型の小さな仏壇なら数字の上では収まる寸法もあるが、受けてもらえるかは別問題になる。

大型家具を1点から運ぶサービスが「家財おまかせ便」で、3辺合計250cm以下・重さ40kg以下が対象。料金は集荷先と届け先の郵便番号、荷物の3辺の長さで決まる。受けられない主な商品例には貴重品、カード類、身分証明書、書類やデータ、楽器やパソコン、着物や毛皮などが挙がっており、さらに「該当しない場合も、集荷時のドライバー判断により荷受をお断りする場合もあります」と明記されている。一部地域ではヤマト運輸が作業を担当し、らくらく家財宅急便としての取り扱いになる場合があり、らくらく家財宅急便の販売責任者はヤマト運輸とされている(008008.jp公式・2026年7月31日確認)。

床置きの大型仏壇はこの枠に入らない。そして位牌、ご本尊、過去帳は、寸法の問題ではなく代替のきかない品として、業者の荷物に混ぜず自分の手で運ぶ。高価な位牌や本尊は自ら直接新居へ運ぶことが推奨されている(LIFULL引越し・同日確認)。

依頼する前に測る3つの寸法と、搬出経路

見積もりが後から膨らむ原因は、ほぼ寸法と経路の申告漏れにある。電話やフォームで問い合わせる前に、次を手元に用意する。

  1. 本体の幅・高さ・奥行。扉を閉じた状態で測る。上置き型は台と本体を分けて、それぞれ測る
  2. 搬出経路の最も狭い場所。仏間の入口、廊下の最狭部、階段の踊り場の対角、玄関ドアの有効幅。集合住宅ならエレベーターの間口と奥行、共用廊下の曲がり
  3. 設置先の寸法と条件。置く場所の幅と天井高、直射日光とエアコンの風が当たらないか、コンセントの位置

あわせて写真を4枚撮る。正面、側面、飾り付けの全体、そして搬出経路。飾り付けの写真は、新居で仏具を元の位置に戻すときにそのまま使える(はせがわ・LIFULL引越し・2026年7月31日確認)。

人員が2名で足りるか4名必要かで金額が数万円動く。階段の有無と踊り場の対角寸法は、必ず先に伝える。

魂抜きと魂入れ。宗派で呼び方も要否も違う

多くの宗派では、家の外へ動かす前に閉眼供養(魂抜き)、新しい場所に据えたあとに開眼供養(魂入れ)を行う。運搬業者は運ぶ役で、供養は寺院の役という分担になる。

浄土真宗は考え方が異なる。本尊に場所を移っていただく法要として遷仏法要・遷座法要を勤め、迎えるときは入仏法要と呼ぶ。寺院側も「浄土真宗では、お性根抜き、お魂抜きといった言い方はいたしません」と明示している(宗教法人西明寺・2026年7月31日確認)。すでに本尊があり、古い仏壇から新しい仏壇へ移す場合や修理に出す場合は遷座(遷仏)法要にあたるとする案内もある(浄土真宗本願寺派 妙蓮寺・同日確認)。

手配の順番は、業者より先に寺院になる。日程が寺院の都合で決まり、そこに運搬日を合わせるからだ。引越しの1か月前に菩提寺へ連絡しておくと、運搬日の選択肢が残る。

編集部は僧侶でも仏壇店でもない。同じ宗派でも寺院ごとに作法の説明は変わるため、要否と当日の段取りは菩提寺に直接確認する。ここで書けるのは、確認先と順番までになる。

当日の段取り。積む順序は業者の指示に合わせる

作業そのものは半日で終わる。順番だけ押さえておく。

  1. 飾り付けの写真を撮る
  2. 灯篭などの吊り仏具、照明、外せる仏具をすべて外して個別に梱包する。ガラスや陶器は緩衝材で包み、箱を分ける
  3. 位牌、ご本尊、過去帳は自分の手荷物にする
  4. 扉と引き出しをテープで固定し、本体を養生する
  5. 立てたまま積み、動かないよう固定する
  6. 設置後、写真を見ながら仏具を戻す

積み込む順序については、案内が割れている。旧居を先に出て新居に最初に入れるものとする解説(LIFULL引越し)がある一方、仏壇は最後に積み込んでもらうとする解説(引越し侍)もある(いずれも2026年7月31日確認)。前者は仏壇を先に扱うという習わし、後者はトラック上で固定しやすい位置に置くという実務で、根拠が違う。当日は現場の業者の指示に従い、習わしを優先したい場合は見積もりの段階で伝えておく。

引越しと同じ日に動かす場合の全体の流れは仏壇の移動と引越しの手順|小さくする選択肢もにまとめている。

運ぶ先がまだ決まっていないとき

実家を片付ける過程では、仏壇を出すことは決まっていても、入れる先が決まらないことが起きる。住宅事情で入らない、誰が引き取るかが決まらない、建て替え中で置けない、といった状態だ。この場合、選べる道は3つある。

  • 一時預かりに出す。閉眼供養をしてから仏壇店や専門業者が預かる。相場は月2,000〜5,000円程度(はせがわ、LIFULL引越し・2026年7月31日確認)。公開料金の例では、幅60cm未満で月1,000〜2,000円、幅60cm以上で月2,000〜4,000円、預かり期間は6か月を上限としている(お仏壇の浜屋・税込・同日確認)
  • 小さくして運ぶ。今の住まいに入る寸法へ買い替えるか、仕立て直す。運搬費そのものも下がる
  • 運ばずに手放す。本尊と位牌だけを引き継ぎ、本体は供養して引き取ってもらう

寸法から先に決める場合は仏壇を小さくする方法|買い替えと仕立て直しの比較、手放す場合の順番は仏壇の処分方法と費用|魂抜きから引き取りまでの順番を見てほしい。預かりに出すと月額が積み上がるため、預けたまま数年が過ぎると、買い替え費用に近い額になることがある。

見積もりで確認する8項目

金額だけを並べても比較にならない。同じ質問を各社に投げて、答えの差を見る。

  1. 養生と梱包資材の費用は含まれているか
  2. 分解と組み立てをするか。する場合、組み立ても同じ金額の中か
  3. 仏具の取り外しと飾り直しまで作業に入るか
  4. 位牌とご本尊は業者が運ぶのか、自分が持つのか
  5. 階段、吊り上げ、長い搬入距離での加算はいくらか
  6. 距離加算の計算方法(10kmごとか、区間ごとか)
  7. 繁忙期と土日祝の割増があるか
  8. 破損したときの補償の範囲と上限額。保険の対象に仏壇が含まれるか

特に8番目は後回しにされやすい。金箔や漆の補修は、運搬費より高くつくことがある。

作業ごとの料金を並べて比べる

くらしのマーケットには、仏壇の掃除や修理、引き取り、家具の移動といったカテゴリに個人事業者が出店していて、作業内容ごとの料金と口コミを並べて確認できる(2026年7月31日確認)。運搬だけ、引き取りだけ、といった範囲を区切って頼みたいときの比較先になる。

作業の料金を比べる

よくある勘違いを3つ

仏壇は動かしてはいけない、ではない。移動そのものに禁止はなく、前後に法要を勤めるかどうかが宗派と寺院で分かれる論点になる。

六曜で日を選ばなければならない、とは限らない。友引や仏滅といった六曜は仏教の教義とは別の由来を持つもので、寺院側が日取りを指定しないこともある。親族の中に気にする人がいるかどうかの問題として扱い、日程は菩提寺との調整を先に置く。

引越し業者は供養までしてくれる、わけではない。運搬と供養は別の手配になる。専門業者の中には菩提寺との日程調整を代行するところもあるが、標準で付くサービスではないため、含まれるかどうかを見積もり時に確認する。

同じ家の中で位置を変えるだけの家内移動については、法要を不要とする寺院もある。仏間からリビングへ移すような場合も、まず菩提寺に一報を入れておくと、当日に迷わない。

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実家じまいナビ編集部

実家じまいナビ編集部 |沖縄に売れない土地を持つ当事者が運営

実家じまいナビ編集部です。運営者自身が沖縄に売れない土地を相続し、出口が見つからないまま維持している当事者です。役所と業者を回って分かった順番、実際にかかる費用、先に知っておけば防げたことを記録しています。法令の解釈が必要な部分は断定せず、調べ方と相談先を示す方針です。

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