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改葬許可申請の手順と必要書類|遺骨を移す前に

改葬許可申請の手順と必要書類|遺骨を移す前に

遺骨を移すのに役所の許可がいると知って調べ始めたなら、順番は間違っていない。

申請先はあなたの住所地ではなく、いま遺骨がある市区町村。手数料は無料の自治体が多く、交付まで数日から1週間。書類は申請書・埋蔵証明・受入証明の3点が基本になる(2026年7月31日時点)。

この記事の目次
  1. 申請先は「今お墓がある市区町村」で、住所地ではない
  2. 法令が名指しする添付書類は2点、実務で3点になる理由
  3. 動かす順番:寺や墓地管理者が先、役所は最後
  4. 必要書類のチェックリスト
  5. 手数料と、交付までにかかる日数
  6. 申請書を書くときに間違えやすいところ
  7. 改葬にあたるか迷うケースを先に切り分ける
  8. 名義人が亡くなっている、縁故者が分からない場合
  9. 手続きが止まるのは書類ではなく人間関係
  10. 窓口に行く前の確認リスト

申請先は「今お墓がある市区町村」で、住所地ではない

改葬は「墓地、埋葬等に関する法律」(墓埋法)に定めがある。第2条は改葬を、埋葬した死体を他の墳墓に移すこと、または焼骨を他の墳墓もしくは納骨堂に移すことと定義している。第5条は、改葬をしようとする者は市町村長の許可を受けなければならないとし、その許可を出すのは死体または焼骨が現に存する地の市町村長だと定めている(e-Gov法令検索、2026年7月31日確認)。

ここが最初のつまずきどころになる。窓口はあなたが住んでいる市区町村ではなく、いま遺骨が納まっている墓地や納骨堂がある市区町村。実家の墓が地方にあって、あなたが都市部に住んでいるなら、動かす役所は地方側になる。川口市は、市内に新しい墓地を買った人が市役所で改葬手続きをしようとしても受けられない旨をわざわざ案内している。大津市も、現在の墓地が市外なら市では手続きできないと明記している。

交付された改葬許可証は、第14条により、墓地や納骨堂の管理者がそれを受理した後でなければ埋蔵・収蔵ができない。許可証は遺骨を出すための紙というより、次の場所に納めるための鍵に近い。無許可で移した場合、第21条は2万円以下の罰金または拘留もしくは科料と定めている。金額そのものは小さいが、許可証がなければ改葬先が遺骨を受け取れないので、手続きを飛ばす実益はない。

法令が名指しする添付書類は2点、実務で3点になる理由

厚生労働省が公開している墓地、埋葬等に関する法律施行規則の第2条は、改葬許可申請書に書く事項として、死亡者の本籍・住所・氏名・性別、死亡年月日、埋葬または火葬の場所と年月日、改葬の理由、改葬の場所、申請者の住所・氏名・死亡者との続柄・墓地使用者等との関係を挙げている(2026年7月31日確認)。

添付書類として条文が名指ししているのは、墓地等の管理者が作成した埋葬・埋蔵・収蔵の事実を証する書面と、墓地使用者等以外の者が申請する場合の承諾書または裁判の謄本の2点。そこに「その他市町村長が必要と認める書類」が続く。

よく3点セットとして紹介される受入証明書は、条文には出てこない。多くの自治体が、この「市町村長が必要と認める書類」として求めている。だから受入証明書の扱いは自治体ごとに揺れる。武蔵野市は新しい墓地が決まっていない場合は改葬手続きができないと明記し、川口市も申請書に改葬先の名称と所在地を書く以上、改葬先が未定では進められないとしている。一方、府中市や中野区は、受入証明書という名前の書類がなくても永代使用承諾書や墓地使用許可証の原本で代えられると案内している。

相談者相談者
結局、どこを見れば正解が分かりますか
実家じまいナビ編集部実家じまいナビ編集部
改葬元の市区町村の公式ページ1本です。様式も添付書類も自治体ごとに違うので、民間の解説より先にそこを開くのが最短になります。

動かす順番:寺や墓地管理者が先、役所は最後

役所の窓口は最後に来る。理由は単純で、申請に必要な埋蔵証明も受入証明も、役所ではなく墓地の管理者しか出せないからだ。書類を集める順番を間違えると、最後に埋蔵証明が取れずに止まる。

  1. 親族のあいだで遺骨の行き先まで合意する
  2. いまの墓地管理者に意向を伝える。寺院墓地なら決定事項ではなく相談の形で入る
  3. 改葬先を決めて契約する(永代供養墓・納骨堂・新しい墓地など)
  4. 改葬先から受入証明書、または使用許可証・永代使用承諾書を受け取る
  5. 改葬元の市区町村から改葬許可申請書を入手して記入する
  6. いまの墓地管理者に、申請書の証明欄への記入か埋蔵証明書の発行を依頼する
  7. 改葬元の市区町村に申請し、改葬許可証の交付を受ける
  8. 許可証を現在の管理者に提示して遺骨を取り出す
  9. 改葬先の管理者に許可証を提出して納骨する

八王子市もこれと同じ7段階の流れを公開している。注意したいのは8番で、横浜市と福岡市はどちらも、遺骨を取り出す際に許可証は提示するだけで渡さない、新しい墓地で必要になると案内している。石材店に渡してしまわないよう手元で管理する。

遺骨の行き先が固まっていないなら、そこが先になる。墓じまいとは?費用と流れ、遺骨の行き先の決め方永代供養の費用相場と、合祀か個別かの選び方で、受入証明を出してもらえる先の選び方を整理している。

必要書類のチェックリスト

自治体の案内を横に並べると、共通して出てくるものと、条件付きのものに分かれる。

書類入手先必要になる条件
改葬許可申請書改葬元の市区町村(窓口・ダウンロード・コンビニ交付など)常に必要。様式は自治体ごとに違う
埋蔵(収蔵)の事実証明いまの墓地・納骨堂の管理者常に必要。申請書の証明欄への記入で足りる自治体が多い
受入証明書・使用許可証・永代使用承諾書改葬先の管理者ほぼ全ての自治体が求める。原本提示+写し提出の例あり
承諾書現在の墓地使用者墓地使用者と申請者が違うとき
委任状と代理人の本人確認書類申請者本人が作成本人以外が窓口に行くとき(茅野市・川口市ほか)
申請者の本人確認書類運転免許証・マイナンバーカードなど窓口・郵送とも求められる
返信用封筒(切手貼付)申請者が用意郵送申請のとき
除籍謄本など続柄の分かる書類本籍地の市区町村武蔵野市・船橋市など一部の自治体

手数料と、交付までにかかる日数

改葬許可申請そのものの手数料は、無料としている自治体が目立つ。八王子市、船橋市、横浜市はいずれも申請手数料を無料と明記している(2026年7月31日確認)。有料の自治体もあり、各自治体の例をまとめた民間の集計では200円から300円程度の設定が見られる。

費用がかかりやすいのは役所ではなく墓地側だ。船橋市と横浜市は、埋蔵(収蔵)証明書の発行に手数料がかかる場合があるので墓地管理者に確認するよう案内している。民間の解説記事では300円から1,500円程度とされることが多いが、寺院や霊園ごとに差があるため、依頼する時点で金額を聞いておく。

日数は即日と考えない。長野県東御市は申請から交付まで1週間ほどと案内し、福岡市は申請内容の確認のため即日交付できない場合があるとしている。武蔵野市も原則は後日交付。郵送申請なら往復の日数がさらに乗る(八王子市は返信用封筒に110円切手を求めている)。石材店との工事日程を先に固めてしまうと、許可証が間に合わずに組み直しになる。

墓じまい全体の費用を先に把握しておく

改葬許可の手数料は無料か数百円でも、遺骨の取り出しと墓石の撤去は別費用になる。相場は立地と区画面積で大きく動くため、複数社の見積りを並べてから工事日を決めると、許可証の到着待ちで慌てずに済む。

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申請書を書くときに間違えやすいところ

改葬許可証は、お墓1基につき1通ではない。川口市は遺骨1名分につき1枚発行すると明記しており、港区や八王子市は複数体をまとめて申請するための別紙・続紙を用意している。先祖代々の墓で3名分の遺骨が入っているなら、原則として3件分の申請になる。

死亡年月日や埋葬年月日が分からない古い遺骨は珍しくない。茅野市は、不明な事項は空欄にせず「不詳」と記入するよう案内している。空欄のまま出すと不備扱いで戻ってくるので、分かる範囲で埋めて、分からない欄は不詳と書く。

申請者は原則として、現在の墓地の使用者(名義人)になる。名義人以外が申請する場合は承諾書が要る。八王子市は申請者を原則として現在の墓地使用者としており、それ以外の人が申請するときは墓地使用者の承諾が必要だとしている。

改葬先が2か所以上に分かれるときも注意がいる。八王子市は、改葬先ごとに申請書を作成するよう求めている。合祀墓に入れる遺骨と手元に置く遺骨を分けるつもりなら、その時点で申請書も分かれる。

改葬にあたるか迷うケースを先に切り分ける

そもそも改葬許可がいらない場面がある。福岡市は、火葬後に一度も納骨せず自宅で保管している遺骨を墓地や納骨堂に納める場合、改葬許可の申請は不要で、火葬時に発行された埋火葬許可証を管理者に提出すればよいとしている。八王子市も、火葬後はじめての納骨は改葬にあたらないと明記している。

  • 同じ霊園の別区画に移す:船橋市と八王子市はこれを改葬に含めるとしている。大津市は、この場合の埋蔵証明と受入証明はどちらも現在使用中の墓地管理者から取ることになると説明している。
  • 墓石の建て替えで同じ区画に納め直す:船橋市は改葬ではないとしている。
  • 分骨:八王子市は改葬にあたらず、分骨証明書で対応するとしている。
  • 土葬骨:八王子市は、改葬先が市内なら一度火葬が必要で、その火葬は発行された改葬許可証で行えるとしている。改葬先が市外なら火葬の要否は改葬先に確認する。
  • 海外で火葬した焼骨を国内に納める:八王子市は改葬の許可が必要とし、火葬済証明書と日本語訳文を求めている。死亡届が未提出ならその提出も要る。

判断が割れるのが散骨と手元供養だ。八王子市は散骨に届出制度はなく改葬にあたらないとしている。ただし散骨業者は遺骨の出所が確認できないと引き受けないことが多く、自治体によっては改葬先を「自宅」として許可を出す運用もある。取り出したあとで納骨先を変える可能性があるなら、許可証を取っておいたほうが後の手続きは楽になる。実際の進め方は散骨のやり方と費用|海洋散骨と手元供養の選び方で整理している。

名義人が亡くなっている、縁故者が分からない場合

実家の墓で多いのが、名義人が亡くなったまま名義変更していないケースだ。府中市は、現在の墓地使用者が亡くなっている場合は、まず墓地側で使用者を変更してから改葬手続きをするよう案内している。武蔵野市は、現在の墓地使用者が亡くなっているときは相続人全員の承諾が必要としている。どちらにしても、役所に行く前に墓地の名義を整理する工程が1つ増える。

縁故者がまったくいない墓(無縁墳墓等)の改葬は、別ルートになる。施行規則第3条は、通常の添付書類に代えて、無縁墳墓等の写真と位置図、死亡者の本籍と氏名および墓地使用者等・縁故者・権利を有する者に1年以内に申し出るべき旨を官報に掲載し、かつ見やすい場所の立札に1年間掲示して公告し、その期間中に申出がなかった旨を記載した書面、官報の出力書面や立札の写真などを添えるよう定めている(厚生労働省、2026年7月31日確認)。

1年の公告期間が要る手続きで、実務上は墓地の経営者・管理者側が行うものだ。あなたが自分の家の墓を移すために使う場面は限られる。該当しそうなら、墓地の管理者と改葬元の市区町村に先に相談する。

手続きが止まるのは書類ではなく人間関係

埋蔵証明は墓地の管理者しか出せない。ここが押さえられているため、寺院墓地では話の順番を誤ると手続きが動かなくなる。

国民生活センターは、墓じまいの際に高額な離檀料を求められたという相談を注意喚起として公開している(見守り新鮮情報第424号、令和4年6月28日)。自宅から遠く自分も入るつもりがないので寺に墓じまいを申し出たところ300万円ほどを要求されたという80歳代女性の相談、跡継ぎがいないので離檀したいと相談したところ過去帳に8人の名前があるとして700万円と言われた70歳代女性の相談が挙げられている。同センターは、離檀料に明確な基準はなく、金額に納得がいかない場合は基本的に寺などと話し合うことになるとし、墓じまいは勝手にはできず寺などが発行する証明書が必要なので、家族や親族を交えてよく話し合うよう助言している。

金額の妥当性や支払義務の有無は法律判断になるため、編集部は踏み込まない。折り合いがつかないときの相談先として、消費者ホットライン188や弁護士がある。役所への改葬許可申請を報酬を得て代理できるのは行政書士で、遠方の墓で何度も往復できない場合の選択肢になる。

窓口に行く前の確認リスト

2026年7月31日時点の各自治体の案内をもとに、着手前に潰しておく項目を並べる。制度と手数料は年度で変わるため、改葬元の市区町村のページで最新の様式と添付書類を必ず確認する。

  • いま遺骨がある市区町村はどこか。そこの公式ページで様式と添付書類を確認したか
  • 遺骨は何体分か。申請書と許可証はその数だけ要る
  • 墓地の名義人は誰か。亡くなっているなら名義変更または相続人の承諾が要るか
  • 改葬先は決まっているか。受入証明書か使用許可証を出してもらえるか
  • いまの墓地管理者に意向を伝えたか。埋蔵証明の発行手数料はいくらか
  • 交付までの日数を窓口に確認したか。石材店の工事日はその後に置いたか
  • 郵送申請の可否と、返信用封筒の切手額を確認したか

この7項目が埋まれば、あとは書類を集めて出すだけの作業になる。埋まらない項目があるなら、そこが今の工程で、役所はまだ先だ。

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実家じまいナビ編集部

実家じまいナビ編集部 |沖縄に売れない土地を持つ当事者が運営

実家じまいナビ編集部です。運営者自身が沖縄に売れない土地を相続し、出口が見つからないまま維持している当事者です。役所と業者を回って分かった順番、実際にかかる費用、先に知っておけば防げたことを記録しています。法令の解釈が必要な部分は断定せず、調べ方と相談先を示す方針です。

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