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墓じまいの時期はいつがいい?法要と合わせる考え方

墓じまいの時期はいつがいい?法要と合わせる考え方

墓じまいの時期を調べても、決まりはありませんとしか出てこなかったはずです。

結論から書くと、法律上の期限はありません。実務上は、法要の日に閉眼供養を重ねたいなら6か月前から動くと無理がない。改葬許可は受入先が決まるまで申請できず、そこが工程の詰まりどころになります。

この記事の目次
  1. 墓じまいの時期に、制度上の決まりはない
  2. 「いつ」を3つの層に分けると決まる
  3. 法要に合わせるという考え方
  4. 法要以外に、材料がそろうタイミング
  5. 手続きの時期は自分では動かせない。逆算の起点はここ
  6. 季節を天候データで見る
  7. 法要の日から逆算するカレンダー
  8. 避けたほうがよい時期と、避けなくてよい時期
  9. 先延ばしにしたときに増えるもの
  10. 日程を決める前に、埋めておく3つの空欄
  11. 時期についてよく出る疑問

墓じまいの時期に、制度上の決まりはない

墓じまいの時期を定めた法律はない。自治体が出している改葬手続きの案内を見ても、指定されているのは書類であって時期ではない。京都市は改葬許可申請に必要なものとして申請書、現在の墓地管理者による証明、代理申請時の委任状などを挙げるだけで、月や季節の条件はどこにもない(京都市「改葬許可申請の手続について」2026年7月31日確認)。横浜市の案内も、手続きの流れと必要書類だけを示している。

つまり「いつやるか」は制度が決めるものではなく、あなた・親族・寺院・石材店・役所の予定が重なる日をどう作るかという問題になる。ただし感覚で決める必要はない。動かせる部分と動かせない部分は、はっきり分かれている。

改葬の件数は5年で約1.5倍になっている

厚生労働省の衛生行政報告例には、市区町村が交付した改葬許可の件数が年度ごとに載っている。全国の合計は次のように推移している。

年度改葬件数(全国)
2020年度117,772件
2021年度118,975件
2022年度151,076件
2023年度166,886件
2024年度176,105件

出典は厚生労働省「衛生行政報告例」第4章 生活衛生 第6表(e-Statで公開されているCSV、2026年7月31日確認)。2020年度と2024年度を比べると約1.5倍になっている。改葬件数は原則として遺骨1体ごとに数えるため墓の基数とは一致しないが、増加の傾向ははっきり出ている。

この数字は日程に効いてくる。役所の窓口も、閉眼供養を依頼する僧侶も、撤去工事をする石材店も、5年前より確実に立て込んでいる。思い立って今月中に、という組み方は成立しにくい。

「いつ」を3つの層に分けると決まる

日程が決まらないのは、性質の違う3つの「いつ」を1つの問題として考えているからだ。分けると、主役も所要期間も季節依存も違うことがわかる。

決めること主役かかる時間の目安季節の影響
①話し合い遺骨の行き先と費用の負担あなたと親族数週間〜数年なし(集まれる日次第)
②手続き受入証明・埋蔵証明・改葬許可墓地管理者と役所数週間〜2か月程度小さい(窓口の混雑のみ)
③供養と工事閉眼供養と墓石の撤去僧侶と石材店当日〜数週間大きい(天候・繁忙期)

天候や六曜を気にする必要があるのは③だけで、①と②は天気に左右されない。そのうえで、①が終わらないと②に進めず、②で交付される改葬許可証がないと③の遺骨取り出しができない。この一方通行が、日程を組むうえでの唯一の制約になる。

法要に合わせるという考え方

法要に合わせる利点はひとつしかないが、それが決定的に大きい。親族が同じ日に同じ場所へ集まる機会が、ほかにほとんどないからだ。

合わせやすい法要

  • 四十九日(納骨の予定と重なるため、行き先の話がしやすい)
  • 一周忌・三回忌(人が集まる規模が比較的大きい)
  • 七回忌・十三回忌(参列者が絞られ、話が具体化しやすい)
  • 弔い上げの年忌(区切りとして選ばれやすい)

弔い上げを何回忌とするかは宗派と地域で異なる。編集部の側で正解を示せる性質のものではないため、菩提寺に直接確認する範囲になる。

法要の日は工事日ではなく、合意を取る日

ここを取り違えると必ず止まる。法要の当日に墓石の撤去はできない。改葬許可証がなければ遺骨を取り出せず、その許可証は受入先が決まってからしか申請できないためだ。法要の場でできるのは、遺骨の行き先・費用の負担・誰が申請者になるかを決めるところまで。

現実的な組み方は2通りある。

  1. 法要の場で相談して合意を取り、手続きを進めて、数か月後の別の日に閉眼供養と工事を行う
  2. 先に手続きを終わらせておき、次の年忌法要の日に閉眼供養を重ねる。親族の再集合が1回で済む

2の形にするなら、法要の日付から逆算して動き出すことになる。逆算の目安は後述する。

相談者相談者
法事の席でお墓の話を切り出すのは気が引けます
実家じまいナビ編集部実家じまいナビ編集部
その場で結論を出す必要はない。いずれ相談したいと伝えて、日を改める合意だけ取れれば十分

法要以外に、材料がそろうタイミング

法要のほかにも、判断材料が手元に出てくる瞬間がある。どれが当てはまるかは人によって違う。

  • 納骨の予定が出たとき:遠方の墓に納めるか、近くへ移すかを一度で決められる
  • 墓地管理料の請求が届いたとき:年額と今後の支払いが見え、維持費の話を数字でできる
  • 継承者が代わるとき:名義や連絡先を書き換える手続きが発生し、墓地管理者と話す機会になる
  • 運転免許の返納や転居を考えたとき:墓参の移動手段が変わり、通える距離が変わる
  • 墓地から改修や無縁に関する通知が届いたとき:期限が切られている通知は、内容の確認を最優先にする

共通するのは、いずれも「この墓を続けるか」を判断する材料が出てくる瞬間だという点。材料がないまま日程だけ先に決めても、①の合意で止まる。

手続きの時期は自分では動かせない。逆算の起点はここ

工程で最も読み違えやすいのがここになる。改葬には市区町村長の許可が必要で、許可を受けずに遺骨を移すことはできない。福岡市は案内の中で、法律の規定により現在遺骨を納めている墓地や納骨堂がある市町村長の許可が必要であり、許可を受けずに別の墓地へ移すことはできないと明記している(福岡市「改葬許可申請の手続きについて」2026年4月10日更新、2026年7月31日確認)。

順序が固定されている

  1. 改葬先を決める(永代供養墓・納骨堂・樹木葬・別の墓など)
  2. 改葬先から受入証明書を出してもらう。使用許可証や永代使用承諾書で代えられる自治体もある
  3. 現在の墓地管理者から埋蔵証明をもらう。横浜市では改葬許可申請書の所定欄に管理者が証明する形が通常とされている(横浜市「改葬(遺骨の移動)の手続き」2026年7月31日確認)
  4. 現在の墓地がある市区町村へ申請し、改葬許可証の交付を受ける
  5. 許可証を示して遺骨を取り出し、改葬先の管理者に提出して納める

改葬先が決まらないと2に進めず、2がなければ4の申請ができない。先に墓石を撤去して遺骨の行き先は後で考える、という順序は成立しない。日程を逆算する起点は、法要の日ではなく改葬先の決定日と考えるほうが実態に近い。

手数料と、交付までの日数

手数料は自治体で異なる。横浜市は改葬許可証を無料としており、京都市も手数料はかからないと案内している(いずれも2026年7月31日確認)。ただし埋蔵証明の発行に墓地管理者側の費用がかかる場合があり、これは自治体の手数料とは別に見ておく。

交付までの日数も自治体次第で、即日とは限らない。福岡市は改葬許可証について、申請内容の確認や手続き処理等のため即日交付できない場合があると明記している。郵送申請を受け付ける自治体もあり、その場合は往復の日数が加わる。工事日を先に押さえてから申請するのは危うい。

誰が申請者になれるかも確認しておく。墓地使用者と申請者が違う場合は承諾書や委任状が必要になる。親族間で意見が割れている状態なら、書類を出す前に弁護士や行政書士へ確認する範囲になる。

工事日を押さえる前に、費用の幅だけ確認しておく

撤去費用は墓地の広さ、立地、重機が入るかどうかで変わる。日程の相談を始める前に、自分の墓の条件でいくらの幅になるかを把握しておくと、親族との話が具体的になる。

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季節を天候データで見る

③の工事と屋外の供養だけは天候の影響を受ける。感覚ではなく平年値で見ておくと判断しやすい。気象庁が公表している梅雨入りと梅雨明けの平年値は次のとおり(1991年から2020年の30年平均、2026年7月31日確認)。

地方梅雨入り(平年)梅雨明け(平年)
九州南部5月30日頃7月15日頃
九州北部6月4日頃7月19日頃
近畿6月6日頃7月19日頃
東海6月6日頃7月19日頃
関東甲信6月7日頃7月19日頃
北陸6月11日頃7月23日頃
東北北部6月15日頃7月28日頃

読み方は単純で、6月上旬から7月下旬は屋外作業が雨で押しやすい期間になる。裏を返せば4月から5月、9月から10月は比較的組みやすい。積雪のある地域なら、冬は最初から候補から外れる。

ただし梅雨だから工事ができないわけではない。石材店は雨天でも作業する。効いてくるのは、遠方から親族が立ち会う予定があるかどうかのほう。立ち会いを伴うなら日程がずれたときの再調整が重く、立ち会いが少ないなら季節の優先度は下がる。当日どう進むかは墓じまい当日の流れ|立ち会いから遺骨の受け取りまでで確認できる。服装の判断は墓じまいの服装|閉眼供養に喪服は必要かにまとめてある。

法要の日から逆算するカレンダー

次の年忌法要の日に閉眼供養を重ねたい場合の目安になる。期間は幅で示す。地域や寺院、墓地の状況で前後する。

法要日からの逆算やること
6か月前遺骨の行き先を検討し始める(永代供養墓・納骨堂・樹木葬・手元供養など)
4〜5か月前親族に相談し、行き先と費用の負担について合意する
3〜4か月前菩提寺と墓地管理者へ相談する。日程の候補を伝える
2〜3か月前石材店に見積りを取る。撤去費用と作業日数を確認する
1〜2か月前受入証明と埋蔵証明をそろえ、改葬許可を申請する
2週間〜1か月前改葬許可証を受け取る。工事日を確定する
当日閉眼供養、遺骨の取り出し
当日〜数週間後墓石の撤去、区画の返還

短縮できるのは前半で、短縮しにくいのは後半になる。親族の合意が早く取れれば全体を3か月程度まで詰められる場合もあるが、改葬許可証が出る前に工事日を確定させることはできない。逆に、行き先が決まらないまま数年かかる例もある。前半に時間がかかっていること自体は失敗ではない。

避けたほうがよい時期と、避けなくてよい時期

絶対に避けるべき時期というものはない。避けると調整が楽になる時期がいくつかある、という程度に考えたほうが実態に合う。

調整が難しくなりやすい時期

  • お盆と彼岸:寺院に法要と参拝対応が集中し、閉眼供養の希望日を取りにくい。墓地も混む
  • 年末年始:寺院も役所の窓口も動かない日が続き、書類が止まる
  • 梅雨と豪雪期:屋外の作業日程がずれやすい
  • 年度末:役所の窓口が混みやすく、交付までの日数が読みにくくなる

その時期に置くべきなのは、話し合いのほう

お盆と彼岸は工事には向かないが、親族が墓の前に集まる数少ない機会でもある。①の話し合いをここに置き、②と③を秋や春に回す組み方は理にかなっている。時期をまるごと避けるのではなく、3つの層のどれを置くかで考える。

六曜は判断材料になるか

編集部が確認した範囲では、自治体が公開している改葬許可の要件に六曜の条件は入っていない。求められているのは書類だけで、制度上の制約はないと考えてよい。判断材料になるとすれば、親族の中に気にする人がいるかどうか。気にする人がいるなら日取りを合わせておくほうが揉めない、という実務上の話に留まる。

先延ばしにしたときに増えるもの

急かす意図はないが、待っている間に増えるものは数えられる。

  • 墓地管理料:年額に先延ばしした年数を掛けた分。金額は墓地ごとに違うため、請求書の年額を確認する
  • 合意を取る相手:世代が進むと関係者が増え、話がまとまりにくくなる
  • 順番待ち:改葬件数は増加傾向にあり、寺院と石材店の予定は取りにくくなる方向にある

継承者がいなくなった墓の扱いは行政側でも課題として扱われていて、総務省行政評価局は2023年9月13日に「墓地行政に関する調査(公営墓地における無縁墳墓を中心として)」の結果を公表している(2026年7月31日確認)。放置された墓をどう処理するかは、すでに社会の側で議論されている問題になっている。

一方で、急ぐ理由がないなら急がなくてよい。行き先が決まらないまま工事日だけ先に押さえるほうが、あとで戻れなくなる。

日程を決める前に、埋めておく3つの空欄

日程が決まらないときは、たいていこの3つのどれかが空欄のままになっている。

  1. 遺骨の行き先。永代供養墓か、納骨堂か、樹木葬か、別の墓か、手元供養か。ここが決まらないと受入証明が出ず、改葬許可も申請できない
  2. 費用の負担者。誰がいくら出すか。撤去費用は墓地の広さ、立地、重機が入るかどうかで変わるため、一点の金額ではなく幅で把握して持ち込む
  3. 申請者。墓地使用者が誰で、使用者と申請者が違うなら承諾書を誰にもらうか

この3つが埋まれば、逆算カレンダーはそのまま使える。埋まっていないなら、日程の話は先に進まない。全体像から確認したい場合は墓じまいとは?費用と流れ、遺骨の行き先の決め方を先に読むほうが早い。

費用の幅がわからないと、負担の話が決まらない

墓石の撤去費用は条件で大きく動く。複数社の見積りを比べて幅を先に押さえておくと、親族との話が金額の話として進む。

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時期についてよく出る疑問

一周忌より前に墓じまいをしてもよいか

制度上の制約はない。自治体の改葬許可の要件に、法要の回数や納骨からの経過年数の条件は入っていない。ただし親族の受け止めは別の問題で、納骨から間もない時期は反対が出やすい。日程より先に話の順序を作る。

親族全員の同意は法律上必要か

自治体の案内で求められているのは墓地使用者の承諾書や委任状であって、親族全員の同意書ではない(横浜市・京都市の案内、2026年7月31日確認)。ただし書類がそろうことと、あとで揉めないことは別。事前に伝えるかどうかは日程の問題ではなく順序の問題になる。誰の同意が法的に必要かの判断は、争いがあるなら弁護士に確認する範囲。

改葬許可証を取ってから工事まで、間隔が空いても大丈夫か

自治体の案内に有効期限の記載は見当たらないが、取り扱いは自治体で異なる可能性がある。工事日が大きくずれそうなときは、申請した窓口に確認しておくのが確実。

遺骨が複数ある場合、申請は1件で済むか

自治体によって扱いが違う。長野市は、改葬先の受入証明について故人1人につき1通ずつ必要で、焼骨等一覧を添付すれば1通にまとめることも可と案内している(2026年7月31日確認)。何体分の申請になるかで書類の枚数と手間が変わるため、墓の中に何体の遺骨があるかを先に墓地管理者へ確認しておく。

閉眼供養のお布施の相場は

編集部は一次情報として確認できる金額を持っていない。寺院と地域で差があり、菩提寺に直接確認する範囲になる。まとめサイトの数値を前提に話を始めると、離檀の相談時に食い違いが出やすい。

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実家じまいナビ編集部

実家じまいナビ編集部 |沖縄に売れない土地を持つ当事者が運営

実家じまいナビ編集部です。運営者自身が沖縄に売れない土地を相続し、出口が見つからないまま維持している当事者です。役所と業者を回って分かった順番、実際にかかる費用、先に知っておけば防げたことを記録しています。法令の解釈が必要な部分は断定せず、調べ方と相談先を示す方針です。

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