ホーム/墓じまい・散骨/墓じまいの平均費用はいくら?内訳の実額で見る

墓じまいの平均費用はいくら?内訳の実額で見る

墓じまいの平均費用はいくら?内訳の実額で見る

墓じまいの平均費用を調べると、30万〜300万円、35万〜150万円、50万〜200万円と媒体ごとに数字が割れる。迷って当然で、公的な平均統計そのものが存在しない。

実施した人のデータでは31万〜70万円が最多帯で、約半数が70万円以下。総額を動かしているのは撤去費ではなく、新しい供養先の選び方になる。

この記事の目次
  1. 「墓じまいの平均費用」に公的な平均値はない
  2. 費用は4つの塊に分けて数える
  3. 撤去費用は面積と搬出経路で概ね読める
  4. 離檀料と閉眼供養は、金額より順番でこじれる
  5. 行政手続きの費用は総額にほとんど効かない
  6. 総額を決めているのは新しい供養先
  7. 自分の場合の見込み額を出す3つのステップ
  8. 見積書で必ず確認する項目
  9. 補助金と還付制度は公営墓地の返還に限って実在する
  10. 費用が払えないとき、放置したときに起きること
  11. 墓を維持し続けた場合との比較
  12. よくある質問

「墓じまいの平均費用」に公的な平均値はない

2026年7月31日時点で、国や自治体が集計した墓じまいの平均費用という統計は公表されていない。厚生労働省が毎年出す衛生行政報告例には改葬の件数はあるが、金額を集める項目がない。行政の数字として平均額を確かめる手段が、そもそも用意されていない。

各社が示す相場は、自社の受注実績か利用者アンケートの集計であり、対象者も含める範囲もそろっていない。実際、大手の解説を並べるだけでも総額は35万〜150万円、50万〜200万円、30万〜300万円と割れる(いいお墓、いのり、はせがわの各解説・2026年7月31日確認)。

幅が広い理由は地域差ではない。墓石を撤去して更地に戻すだけなら20万円台から可能だが、取り出した遺骨は行き先を決めないと納められない。どこに納めるかで総額が数倍動くため、同じ墓じまいという言葉でも合計が10倍違う。

実施者ベースの数字なら参考になるものがある。鎌倉新書が2026年1月16日から23日に実施した第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(有効回答733件)では、実施費用は31万円〜70万円が最も多く、約半数が70万円以下で完了したと報告されている。同調査では実施経験者の割合が前回の39.9%から45.2%に増えた。

相談者相談者
結局いくら見ておけばいいのか分からない
実家じまいナビ編集部実家じまいナビ編集部
撤去側と供養先側を切り離して数えると、幅はかなり縮む

金額の統計はないが、件数は一次データで追える

厚生労働省の衛生行政報告例による全国の改葬件数の推移は次のとおり。

年度改葬件数うち無縁墳墓等の改葬
2020年度117,772件2,718件
2021年度118,975件3,309件
2022年度151,076件3,414件
2023年度166,886件3,651件
2024年度176,105件3,006件

厚生労働省・衛生行政報告例 第6表より、2026年7月31日にe-Statから取得。4年で約1.5倍。ただしこれは改葬許可の件数で、遺骨1体につき1件で数えるのが実務上の基本になるため、撤去された墓の基数そのものではない。

費用は4つの塊に分けて数える

墓じまいの費用は、性質の違う4つの塊でできている。まとめて一つの平均にすると意味を失うので、分けて数える。

費用の塊目安何で決まるか
撤去・原状回復20万〜50万円区画の面積と重機の入りやすさ
儀礼(閉眼供養・離檀料)3万〜30万円寺院との関係と地域の慣行
行政手続き0〜数千円自治体の手数料設定と遺骨の数
新しい供養先5万〜250万円選ぶ供養の形と遺骨の体数

目安は各社の費用解説で共通して示されている範囲(2026年7月31日確認)。上の3つを足しても、多くの場合は50万円前後までに収まる。総額が100万円を超えるかどうかを決めているのは、ほぼ4つ目だけになる。

この構造が分かると、見積書を見たときにどの塊が高いのかを切り分けられる。撤去費が高いのと供養先が高いのとでは、下げ方がまったく違う。

各項目をさらに細かく見るときは墓じまいの費用は総額いくら?撤去と供養の内訳にまとめている。

撤去費用は面積と搬出経路で概ね読める

墓石の解体・撤去と、区画を更地に戻す原状回復の工事費は、1平方メートルあたり10万〜15万円が目安として各社の解説で一致している(2026年7月31日確認)。一般的な区画は1.0〜1.5平方メートル前後が多く、この範囲なら15万〜30万円あたりに落ちる。

上振れするのは条件が悪いときで、重機が入れない山あいの墓地、階段でしか上がれない区画、外柵や擁壁が大きい区画では手作業が増える。同じ面積でも工事費が倍近くになることがある。遺骨の取り出しを別料金にしている業者もあり、1万〜5万円程度が加算される場合がある。

逆に言えば、面積と搬出経路さえ分かれば見積もりの妥当性は判断できる。面積あたりの単価が周辺の相場から外れていないかを見るために、同じ条件で複数社に出してもらうことが前提になる。1社だけの金額では、高いのか安いのかを判断する基準が持てない。

撤去費が動く条件の分解は墓石の撤去費用の相場|面積と立地で変わる理由で扱っている。

離檀料と閉眼供養は、金額より順番でこじれる

寺院の墓地なら、遺骨を動かす前に閉眼供養(魂抜き)を依頼するのが通例で、お布施は3万〜10万円が目安とされる。閉眼供養が済んでいない墓の解体を受けない石材店もあるため、工事日程とセットで組む工程になる。

離檀料は法律で定められた費用ではない。これまでの付き合いに対する謝礼として渡すもので、相場として案内される額は5万〜20万円前後。ただし金額そのものより、伝える順番で関係がこじれる例が多い。工事の日取りや業者を先に確定させてから檀家を離れる意向を伝えると、話がまとまりにくくなる。

高額を求められた場合は、支払い義務の有無を含めて弁護士など法律の専門家に相談する領域になる。編集部は士業ではないため、個別の請求額が妥当かどうかの判断はしない。

伝え方と交渉の実務は離檀料はいくら払う?相場と高額請求されたときの対処に分けてある。

行政手続きの費用は総額にほとんど効かない

遺骨を別の場所に移すには、現在の墓地がある市区町村長の改葬許可が必要になる。墓地、埋葬等に関する法律の第5条と第8条で定められた手続きで、墓地の管理者は許可証を受理したあとでなければ埋蔵させられない(厚生労働省・墓地、埋葬等に関する法律の概要、2026年7月31日確認)。

手数料は自治体によって異なるが、無料のところがある。横浜市は改葬許可申請の手数料を無料と案内している(横浜市・改葬(遺骨の移動)の手続き、2026年7月31日確認)。有料の自治体でも1通あたり数百円程度で、総額への影響は小さい。

金額より効いてくるのは枚数と日数のほう。改葬許可は遺骨1体につき1件で扱われるのが実務上の基本で、代々の墓に複数体が納められていれば、その数だけ書類が要る。現在の墓地の管理者に埋蔵証明を書いてもらう工程も挟むため、申請から許可証が手元に届くまでに時間がかかる。

見積もりを取る前に納骨されている遺骨の数を確認しておくと、供養先の料金計算まで一度に進められる。

総額を決めているのは新しい供養先

平均を上下させている本体がここになる。供養の形ごとの目安は次のとおり。

供養先費用の目安
永代供養墓(合祀)5万〜30万円
樹木葬20万〜80万円
納骨堂10万〜150万円
一般墓を新しく建てる80万〜250万円
散骨5万〜70万円
手元供養数千円〜50万円

各社の費用解説で示されている範囲(2026年7月31日確認)。実際に購入した人の平均額としては、鎌倉新書の第16回 お墓の消費者全国実態調査(2025年1月実施、2025年3月14日公表)で、一般墓155.7万円、納骨堂79.3万円、樹木葬67.8万円という数字が出ている。同調査では購入されたお墓の48.5%が樹木葬だった。

合祀を選べば数万円から、住まいの近くに墓石を建て直せば150万円前後。撤去と儀礼と行政手続きを合わせた50万円前後に、この額が上乗せされる形になる。

遺骨が複数体ある場合、供養先の料金は1体ごとの加算になることが多い。3体なら合祀でも料金が3倍になる契約があるため、体数を伝えた上で見積もりを取る。

自分の場合の見込み額を出す3つのステップ

平均額を探すより、幅を縮めるほうが早く進む。順番は3つ。

  1. 区画の面積と搬出経路を確認する。面積は使用許可証か墓地の管理事務所で分かる。重機が入るかどうかは現地の写真と通路幅で判断できる
  2. 納められている遺骨の数を数える。改葬許可の書類枚数と、供養先の料金がここで決まる
  3. 供養先を先に決める。撤去業者より先に供養先を確定させたほうが、総額のブレが早く止まる

この3つが埋まると、撤去側の見積もりを複数社に同じ条件で出せるようになる。条件をそろえずに並べた金額は、高いか安いかを判断する材料にならない。

撤去費用は同じ条件で並べてから決める

区画の面積と立地を伝えれば、複数の石材店の見積もりを比べられる。撤去側の金額が固まると、総額の見通しが立つ。

無料で墓じまいの費用を比べる

見積書で必ず確認する項目

撤去工事の見積もりは、業者ごとに含める範囲が違う。総額の比較で差が出るのは、金額そのものより入っていない項目のほうになる。

  • 解体した墓石の運搬費と処分費が含まれているか。ここを別建てにしている見積もりがある
  • 基礎コンクリートや外柵、砂利の撤去まで含むか。地上部分だけの撤去で終わる契約もある
  • 遺骨の取り出し費用が別料金か。体数によって加算されるか
  • 更地に戻す整地の仕上げ範囲。墓地の管理者が求める原状回復の水準に合っているか
  • 重機が使えない場合の追加費用の扱い。着工後に増えるのか、事前に確定させるのか
  • 閉眼供養の日程調整を業者が行うか、自分で寺院に依頼するか

墓地の管理者によって原状回復の基準が異なるため、着工前に管理事務所へ確認しておくと、工事後のやり直しを避けられる。金額が突出して安い見積もりは、上の項目のどれかが抜けていることが多い。

補助金と還付制度は公営墓地の返還に限って実在する

民営霊園や寺院墓地の墓じまいに使える補助金は、基本的にない。一方で、公営墓地の区画を返還する場合に限れば制度が存在する。以下は各自治体の公式ページで2026年7月31日に確認した内容。

  • 千葉県市川市の霊園一般墓地返還促進事業。市川市霊園の一般墓地を返還する際、原状回復費用を助成する。限度額は区画種別ごとに設定され、普通墓地4.0平方メートルが24万円、12.0平方メートルが44万円、芝生墓地が7.5万円など。墓地使用料も、使用許可後3年以内の未使用返還なら2分の1、それ以外は4分の1が返還される。予算がなくなり次第受付終了(市川市公式Webサイト)
  • 千葉県浦安市の墓所返還者等支援事業。浦安市墓地公園の墓所を返還する場合、原状回復に要した費用について上限15万円の補助金を交付する。あわせて、遺骨の改葬先として合葬式墓地(合祀室)を使用料の負担なく使える制度がある(浦安市公式サイト)
  • 東京都の都立霊園施設変更制度。墓所を返還して遺骨を合葬埋蔵施設に移す場合、東京都霊園条例第20条の2で、変更後の合葬埋蔵施設等に係る使用料は徴収しないと定められている。墓所の原状回復費用は使用者の負担(東京都例規集)

いずれも対象はその霊園の使用者に限られ、予算枠や年度で条件が変わる。撤去工事の着工前に申請が必要な制度もあるため、業者に発注する前に当該自治体の窓口で最新の要件を確認する。

費用が払えないとき、放置したときに起きること

手元の資金が足りない場合に取れる手は限られている。

  • 供養先を合祀に寄せる。総額のうち最も大きい塊を圧縮できる
  • 費用の負担を親族で分ける。法律上の支払い義務者は定められておらず、慣行として祭祀を承継した人が払う例が多いが、分担そのものは話し合いで決められる
  • 公営墓地なら前章の制度に該当しないか確認する
  • 石材店の分割払いや金融機関のローンを使う

放置を選んだ場合に起きることも押さえておく。管理料の未納が続くと、墓地の管理者は所定の手続きを経て使用許可を取り消し、遺骨を無縁改葬できる。都立霊園は管理料を5年以上滞納すると使用許可の取消対象になり、最終的に東京都が墓所を更地にし、納められている遺骨は無縁塚に改葬されると案内している(TOKYO霊園さんぽ・よくあるご質問、2026年7月31日確認)。

2024年度の全国の改葬17万6105件のうち、無縁墳墓等の改葬は3006件だった(厚生労働省・衛生行政報告例)。放置しても費用が消えるわけではなく、遺骨の行き先を決める権限のほうが先に手を離れる。

墓を維持し続けた場合との比較

墓じまいの金額を判断するとき、比較対象になるのは維持を続けた場合の支出になる。年間管理料は、公営霊園で年数千円〜1万円程度、民営霊園や寺院墓地で年1万〜2万円程度が目安として各社の解説で示されている(2026年7月31日確認)。実額は霊園ごとの規程で決まるため、手元の使用規則で確認する。

年1万5000円なら20年で30万円、30年で45万円。これに墓参りの交通費が乗る。遠方の墓に年2回、往復2万円かけて通うなら、20年で80万円が別に出ていく。管理料だけを見ると安く見えても、通う距離を入れると墓じまいの総額に近づく。

ただし金額だけで決める話ではない。親族の同意が取れないまま進めると、費用より大きい問題が残る。撤去してしまえば元に戻せないため、金額の比較と並行して、誰に話を通す必要があるかを先に整理しておく。

どちらを選んでも、遺骨の行き先を決める作業はいずれ必要になる。決めずに引き継ぐと、次の代が同じ計算を最初からやり直すことになる。

よくある質問

墓じまいの平均費用は結局いくらか

公的な平均値はない。撤去・儀礼・行政手続きの合計で50万円前後までに収まることが多く、そこに供養先の5万〜250万円が乗る。実施者の調査では31万〜70万円が最多帯で、約半数が70万円以下(鎌倉新書・第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査、2026年1月実施)。

費用は誰が払うのか

法律で支払い義務者は定められていない。慣行として祭祀を承継した人が払う例が多いが、親族で分担しても構わない。相続財産から支出する場合の税務上の扱いは、税理士に確認する範囲になる。

遺骨が複数体あると費用は変わるか

変わる。改葬許可の書類が体数分必要になり、供養先の使用料も1体ごとの加算が一般的。遺骨の取り出し費用を体数で計算する石材店もある。

費用を安く抑える現実的な方法は

供養先を先に決めて総額の上限を固定すること、撤去工事を同じ条件で複数社に見積もらせること、公営墓地なら返還支援の制度を確認すること。この3つで動く金額が大きい。

相場より極端に安い見積もりは信用してよいか

基礎の撤去、外柵の解体、残土と墓石の処分、整地の仕上げが含まれているかを確認する。着工後の追加請求で結果的に高くなる例があるため、含まれない項目を書面で確認しておく。

ABOUT US

実家じまいナビ編集部

実家じまいナビ編集部 |沖縄に売れない土地を持つ当事者が運営

実家じまいナビ編集部です。運営者自身が沖縄に売れない土地を相続し、出口が見つからないまま維持している当事者です。役所と業者を回って分かった順番、実際にかかる費用、先に知っておけば防げたことを記録しています。法令の解釈が必要な部分は断定せず、調べ方と相談先を示す方針です。

実家の土地、まず相場だけ知る

無料で取り寄せる →